今、わたしに会いに行く。






「では、このプランの通りに式を執り行わさせていただきますね」



「はい、よろしくおねがいします」



あの夢をみてから数日後の今日、
私は怜さんと一緒にプランナーさんと式の打ち合わせをしていた。


こうやって準備をしていくたび、
式が、怜さんと結ばれる日が近づいていることを実感する。


「(覚悟もかたまってくるよなぁ)」


、、、好きにはなれないけど、結婚したら怜さんに迷惑かけないようにはしないと、と思う。



「それでは、羽多野様」



「はい」



ぼんやりと考え事をしていた私に声がかけられた。



「今日やっとウェディングドレスの方が届いたので、ぜひ御試着されてください」



ニコニコと嬉しそうに笑うプランナーさんに、こちらも愛想よく笑顔を返した。


ドレスは怜さんがわざわざ自分でデザインしてくれたオーダーメイドだ。
どんなドレスなのか、実は私もまだ知らない。



「それじゃあ、いってきます」



いってらっしゃい花澄と笑う怜さんにその場で待っていてもらうことにし、
私はドレスのある部屋へと向かった。




< 6 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop