今、わたしに会いに行く。
細かい刺繍がされたふんわりとした可愛らしいなデザイン。
真っ白なさわり心地の良い生地。
胸元に置かれた愛らしいリボン。
一目で怜さんのセンスの良さがわかる。
そしてなにより、このドレスは、
私に、とても、よく似合うように作られていた。
これを怜さんがどんな気持ちでデザインしたのか。
このドレスを見ただけでわかってしまう。
「こんなの、着れない。」
こんな、、、こんなに、愛の籠ったドレスなんて、
私には、、、着れない。
ここにきて中途半端な自分の気持ちに嫌気がさす。
「どうすれば、、、いいんだろう。」
式を中止にすることはできない。
思わずドレスを握りしめながら
そんな言葉が出たときだった。
「逃げちゃえばいいんだよ」
背後から声がした。