【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
今度は俺からタイムに言った。


「無理してんだろ。」

「えっ...」


タイムが戸惑う。
病人だからこんなに元気に話すこと自体、無理しているのだろうがな。
俺は椅子から立ち上がると、タイムのベッドの上に座った。

今だに戸惑いおどおどしているタイムの肩を引き寄せると、俺の懐におさめた。
タイムの耳が赤くなっている。
俺はその赤い耳元で囁いた。


「無理していい事なんなねぇーだろ。俺が特別にいてやるから、早く寝やがれ。」


そう言い終えると、タイムの瞳から大粒の涙が溢れ出た。
小さな嗚咽を出すタイムを俺は優しく抱いた。

女が男に気を使うんじゃねぇーよ、ましてや病人なんだろ。
俺はタイムが眠るまで病室を離れなかった。
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