【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
壁一面に本が敷き詰めてある自室に入ると、俺はベッドに横になった。
ちなみに俺は本を読まない。この本は全てケビンの物だ。俺には難しくて、読めるものでは無かった。

瞼を閉じると、タイムの顔が脳裏に焼きついていた。
死にたいから、殺して...か。
タイムには自分で死ぬ力さえ無いのだと、今頃になって思った。


“あの子の事が気に入ったの?”


頭の中で声が響いた。
珍しい事もあったものだ。ケビンから話しかけてくるだなんて...。
今は声だけしか聞こえないが、少々楽しそうだなと俺は感じた。


「んなわけあるか。あいつは今回の依頼人はであり、ターゲットだ。...それに、俺がそーいった感情を持っていない事は、お前が1番解ってるだろ。」

“でも、セルリアはあの子の事殺してあげたいんでしょ。”


図星を突かれて、俺は言葉が出なかった。
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