【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
先程まで俺達が食事をしていたテーブルにゆうどうし、椅子に座るようギフトは言った。

病人を連れ出していいのかと、俺は疑問に思いつつ、ディーブと一緒にソファー越しにその光景を見ていた。


「どうされたんですか?こんな遅くに、」


ギフトは、2人の反対側にある椅子に座ってそう言った。
母親は強く言い放った。


「ティーがあなた方に勝手に依頼した事を、取り消しにして下さい!!」

「如何してですか?」


煽る形でギフトは母親に問いた。
母親は顔を赤くした。
隣に小さく座っているタイムは、昼前に合ったあの明るさが、微塵も感じられなかった。
只黙って俯いていた。


「この子の残り少ない命を大事にしたいとは思わないんですか!!?私は最期まで生かしてやりたいんですよ!!!」


母親ならではの叫びだった。
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