【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
ギフトからタイムの詳細を知らされた。
なんでも容態が悪くなったとか...。
人間とは何が起こるか解らないものだ。俺はつくづくそう思った。
余りにも弱過ぎる、儚すぎる。



嗚呼、俺の手の中にある灯火が消えかかっている。
俺の灯火...ささやかな風に揺らされ、赤子のような光が消えかかる。
止めろ...これは俺が消すものだ。
俺のものだ。
勝手に離れるな、俺の...俺の灯火。



ふと...昔の記憶が蘇る。
命なんて儚かったじゃないか。
幾つのも光を狩ってきたじゃないか。
何故今になって、今になって...

焦っているのか? 【何を?】
怖いのか? 【何が?】
恐ろしいのか? 【誰が?】
大事なものを失った時のように 【何で?】



俺は...如何してしまったのだろう。
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