【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
side:ギフト
「し、死にたくないッ!!離せッ!!!」

セルリアが大声をあげて暴れる、其の所為で人目に付く。
僕は力尽でセルリアを押さえ付ける。

セルリアのこの症状...。
不定期で起こる“幻覚症状”、セルリアはこの期間の記憶を全て覚えていない。症状が治まる期間も最短で数時間、最長で2~3日と不定だ。
試しにケビンに尋ねた事があるが、其の記憶は聞くに耐えないものだった。
ケビンは絵も描けるので、1度描写してもらった事があるのだが、其の絵を見た瞬間僕は思わず、暖炉へ捨てた。
まだ、映画なんかの特殊メイクの方が可愛気があったよ。

僕は余りに暴れるセルリアを抑える事が難しくなった。仕方無く僕はディーブから、盗んだスタンガンを使った。
バチっという音が聞こえると同時に、セルリアが倒れる。


「気にしないで〜!!皆さん、さぁ自分の行動に戻って〜!!!」


何時もの笑顔を浮かべて出来るだけ、注目を減らす。
嬉しい事にこの国の国民は、関心が薄い。
僕の言葉1つで注目は散漫になった。
本当扱いやすい国民で嬉しいよ。
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