【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
side:セルリア
俺は如何してしまったのだろうか。
頭の中が浮遊感に覆われて、思考が安定しない。
記憶も曖昧で、よく覚えていない。
唯、最後に覚えている事は、タイムを殺してあげなければいけないという、使命感だった。
ふと辺りを見回すと、果ての見えない闇だけが見えた。
別段恐怖など感じなかった。
虚無に包まれるこの場所は、ケビンと何時も出会う場所だからだ。
“大丈夫?セルリア。”
声がした、聞き覚えのある安心する声がした。
音源を辿るとケビンがいた。
何時も一緒にいる筈なのに、俺は酷く安心して、ケビンを抱きしめた。
何か恐ろしい事があったのだろうか、俺の体は幼い子供のように震えていた。
ケビンが優しく頭を撫でてくれる。
涙は出ていないが、情けない声が漏れた。
“君らしくないな。これじゃ、何時もと逆だね。”
“...俺は...如何なった、んだ?”
やっとの思いで声を絞り出す。
幼い子を慰めるようにケビンは優しい口調で、俺に言う。
“こんな事言っても、君はすぐに忘れてしまうと思う。其れでも、敢えて僕は言うよ。セルリア...君は取り返しのつかない程壊れてしまったんだ。まともに動ける事はまず無いだろう。其れでも...君は果たしたい事がある筈だ。僕は其れを止める事なんてしない。何時でも君の力になるよ。...君が僕を救ってくれたようにね。”
ケビンが俺を離して、微笑む。
“君は此処で凹んでちゃいけない。...さぁ、行っておいでよ。”
ケビンが俺を突き飛ばす。
俺は背中からゆっくりと倒れていった。倒れた先には不思議と痛みがなかった。
戻らなければ...俺の心は其の思いで溢れていた。
俺は如何してしまったのだろうか。
頭の中が浮遊感に覆われて、思考が安定しない。
記憶も曖昧で、よく覚えていない。
唯、最後に覚えている事は、タイムを殺してあげなければいけないという、使命感だった。
ふと辺りを見回すと、果ての見えない闇だけが見えた。
別段恐怖など感じなかった。
虚無に包まれるこの場所は、ケビンと何時も出会う場所だからだ。
“大丈夫?セルリア。”
声がした、聞き覚えのある安心する声がした。
音源を辿るとケビンがいた。
何時も一緒にいる筈なのに、俺は酷く安心して、ケビンを抱きしめた。
何か恐ろしい事があったのだろうか、俺の体は幼い子供のように震えていた。
ケビンが優しく頭を撫でてくれる。
涙は出ていないが、情けない声が漏れた。
“君らしくないな。これじゃ、何時もと逆だね。”
“...俺は...如何なった、んだ?”
やっとの思いで声を絞り出す。
幼い子を慰めるようにケビンは優しい口調で、俺に言う。
“こんな事言っても、君はすぐに忘れてしまうと思う。其れでも、敢えて僕は言うよ。セルリア...君は取り返しのつかない程壊れてしまったんだ。まともに動ける事はまず無いだろう。其れでも...君は果たしたい事がある筈だ。僕は其れを止める事なんてしない。何時でも君の力になるよ。...君が僕を救ってくれたようにね。”
ケビンが俺を離して、微笑む。
“君は此処で凹んでちゃいけない。...さぁ、行っておいでよ。”
ケビンが俺を突き飛ばす。
俺は背中からゆっくりと倒れていった。倒れた先には不思議と痛みがなかった。
戻らなければ...俺の心は其の思いで溢れていた。