【番外編】 Sicario ～哀しみに囚われた殺人鬼達～

ギフトが俺の元へやって来て、腹部を叩く。


｢何だよ。痛ぇーだろ。｣


横目で睨みながらギフトを見上げる。
今回の内容なら1人で十分だろ。依頼人の元へ早く行って、打ち合わせでもして来い。
ギフトは俺の胸ぐらを掴み上げると、笑顔で俺に言った。


｢セルリアも一緒に行くに決まってるだろ!｣

｢今回は、俺の出番なんか、ねぇーだろ。｣


胸ぐらを掴まれているので、言葉がやや途切れがちになる。
早く離してくれ、服に皺がよるし伸びてしまう。
たまに思うのだが、ギフトもドールと同じで怪力なのではないかと、疑問に思う。
ギフトは笑顔で答える。


｢君がいた方が楽しそうな気がするんだよ!ほら、早く!!｣


なんて子供じみた言葉なのだろう。10歳も年上の筈なのだが、俺より幼く感じてしまうのは気の所為なのか。

俺は巻き込まれ体質なのだろうか。
癖の溜息を吐くと、仕方無しにギフトと共に玄関から、家を出た。