【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
重苦しい感覚で目が覚めた。
何でこんなに苦しいのだ、ゆっくり目を開く。

ぼやけてよく見えないが、黄色...いや、金色が見える。1度瞬きをすると、先程よりはっきり見えた。


「あ、起きたぁ?」


何故かドールが俺に馬乗りをしていた。
左手が俺の首を掴んでおり、右手には一眼レフと思われるカメラが構えられていた。
幸い拘束ベットはされていないようだ。


「何してんだよ、降りろって...。」

「写真撮ってからね〜。」


ドールの手に力が入って、俺の首を絞めあげる。
俺は両手でドールの手を退かそうと、足掻くが微塵も動かない。

顔が顔が赤くなるのが解る、女みたいな気持ち悪い声が漏れる。
何でこんな事してくるのだ。

覚醒したばかりの意識が、失われていく。
足掻いていた手も動かなくなってきた。すると、カメラのシャッター音が鳴り響いた。
それと同時にドールの手が離させる。

急に酸素が器官に入った事により、俺は盛大に咽た。
俺の上からドールが降りると、罪悪感の無い笑みを向ける。


「何咽てんの?早く来なよ〜。」


誰の所為で来れないと思っているのだ。
絞められた首が痛む、絶対痣になっているに違いない。
あの怪力野郎...一体何のつもりなんだ。
< 43 / 92 >

この作品をシェア

pagetop