【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「おい、まさか...」

「あちゃ〜。」


セルリアとギフトはベティの状況を察して、別の意味で蒼ざめた。
ぼくも大方予想は出来た。
ベティは酷い嗚咽と共に、胃の中にあったモノを吐き出した。
床がベティの嘔吐物の被害にあった。


「あーぁ、吐いちゃったか。バラバラ殺人なら仕方ないね。セルリア、タオル持ってきて勿論沢山ね。ディーブはベティをバスルームに連れて行ってあげて、服は僕が後で適当に持ってくるから。」

「待って...お姉さん、服脱ぐの?」

「当たり前でしょ、汚れちゃったんだから。」


ギフトはぼくにそれだけ言い残すと、素早くその場から立ち去って行った。
ベティに視線を移す、嘔吐は治まったようだが、顔色は優れない。
ぼくはベティの手を取ると、ギフトの指示通りにバスルームへと向かった。

ベティの服は嘔吐物でかなり汚れており、其の臭いも心地い良いとは決して言えない。
ぼくはこれ以上床が犠牲にならない様に、配慮をしながらベティをバスルームまで導いた。
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