【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
バスルームから出た瞬間、ぼくはギフトに抱きついた。一刻も早くあの場から立ち去りたかったのだ。
ギフトは優しくぼくの頭を撫でてくれた。多分僕を落ち着けるつもりなのだろう。

バスルームから離れるとギフトが僕を見下ろした。ギフトは背が高いし、ぼくは自分で言うもの悲しいが背が低いので、当然の構図だ。

確かギフトの身長は192cmだった気がする、それに対してぼくは138cmだ。成長期に入るのだから、もっと伸びることを祈っておく。


「年頃の君をあそこに配役したのは悪かったと思うけど、流石の僕もびっくりしたよ...。大丈夫かい?」

「...苦手、...生きているから、」


ぼくはそう言って顔をギフトの服にこすりつけた。


「今までに無いくらい必死だったもんね。ごめんよ。」


ギフトはそう言うと僕を抱きかかえて、子供抱きをした。
ぼくは其れを拒む事無くギフトの首に腕を回した。
優しくギフトが僕の背中をさする。


「本当に大丈夫かい?ディーブはすぐ我慢しちゃうからね〜。」

「...ぅう...。」

「じゃ〜、リビングへ戻ろうか。」

「...うん。」


ギフトはぼくを抱きかかえたまま、リビングへ向かった。
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