【番外編】 Sicario ～哀しみに囚われた殺人鬼達～

｢良いじゃないか!そんなケチケチする事でも無いだろ。｣

｢んぁー、解ったよ...。｣


セルリアが不貞腐れたようにソファーに沈んだ。
ぼくもセルリアのが腕で固定していたので、つられてソファーに横になった。正しくはセルリアの胸の上だ。

ベティは少し小柄なのでセルリアの服は2周り程大きい。かと言って僕も服では小さ過ぎる。
ベティの申し訳なさそうな顔が少し見えた。


｢セルリア。寝てないで、こっちに来てくれないかい。｣

｢あﾞ?何でだよ...面倒臭ｪー。｣

｢さっきの話を皆に聞かせておくれよ。｣

｢何だ?其の言い方。ムカつく...。｣


そう言いつつもセルリアはソファーから身を起こして、ぼくを抱き上げたままテーブル近くの椅子に移った。勿論ぼくはセルリアの膝の上に座っている。
ベティもギフトに言われ近くの椅子に腰を降ろした。


｢さぁ、話してくれないかな?さっきの...えっとー、『血塗れた芸術家』だったっけ。｣


セルリアは癖になっている溜息を吐いて、話を始めた。