【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
ターゲットが特定出来たのは良い事なのだが、問題は如何やってターゲットを捕まえるかだ。
ぼくの殺しのスタイルは少し他と違う。ぼくの場合は、他の皆にターゲットを捕まえて来てもらって、身動きが取れない様に拘束してから生きたまま解剖するんだよね...。

セルリアから悪趣味って言われた事あるけど、別にそういう嗜好があって行なっているわけではないから。
凄く心外な事だとぼくは静かに思った。

ギフトが顎に手を添えて何かを考えている。
「何か」というより、ターゲットの捕まえ方だと思うけどね。
セルリアの顔を見上げてみたが、特に考えているわけでは無さそうだ。
何時もの事だから気にならないけどね、其れにセルリアが連れてくるターゲットは割と綺麗なままだから、責める気など毛頭無い。

寧ろ今回も其の腕に期待している。
ギフトやドールの連れてくるターゲットは体の損傷が激しくて、とても殺る気が萎えてしまう。

だって、既に痛がっている人を解剖しても面白くないでしょ。
最初から殺りたいんだ。ぼくは...。
普通ぼく位の子供ならこんな事思わないのだろうけど...。


「んー、これまでの芸術家に関する新聞の内容を思い出してみたんだけど、其の芸術家はぺドフィリア(小児性愛)かもしれない。
芸術家は高確率で小児を『作品』にしている。
僕の記憶だから結構信憑性高いよ。」

「何だ?其の...ぺドフィリアってのは?」

「主に11歳〜13歳の少年、少女に性的嗜好を抱く事...」

「唯の変態か...」


ぺドフィリアか...また中々特殊な性的嗜好の持ち主だな。
弱い者虐めなどが好きなのだろうか、其れならサディストという面も考えられるな。

視線を感じてぼくは顔を上げた。
ギフトがじっとぼくの顔を凝視している。
...まさか、そんな...。
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