【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
実に馬鹿馬鹿しい感情が俺にもあったんだなと、しみじみ思った。
子供でもこんな阿呆らしい事考えないぞ。
ギフトが俺の耳元で呟く。


「どうしたのさ?」

「どうもしてねぇーよ。」

「あの子に惚れちゃった?」


俺はギフトに鳩尾をくらわせた。
ギフトは前屈みになって、悶えている。
タイムは対応に困っておどおどしている。
ギフトは何事もないように姿勢を正す。


「ビックリした??僕って演技上手いでしょ。」

「えっ?、え?」


余計に混乱しているタイムに、俺が一言言う。


「此奴には痛覚がねぇーんだ。本当は全く痛くねぇーはずだ。」


何となく納得した気配のタイムは、ぎこちなく頷いた。
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