【番外編】 Sicario ～哀しみに囚われた殺人鬼達～

時が流れるのは早いもので、日が沈んでしまった。
夕食は其処らで買った冷たい弁当で済ませた。
今頃ディーブは、ベティの手作り料理でも食べているのだろうな。
全く羨ましい限りだ。そう言えばドールは如何しているのだろうか。
あいつの事だから、俺が心配する事なんか無いと思うけどな。


｢やっほー!セルリア!!｣


突然、背後を誰かに押された。誰かなど、声を聞いたから解りきっている。


｢何すんだよ、ドール。｣

｢何って...暇。｣

｢答えになってねぇーじゃねぇーか。｣

｢別に良いじゃん。お互い暇だし。｣


俺の背中に身を預けながら、ドールは笑う。
本当にギフトに似た笑みだ。ムカつく。


｢ねぇ、あの女の家に行ってみようよ。暇だし、少しくらいお邪魔しても大丈夫でしょ。｣

｢少しだけなら良いんじゃね。｣

｢じゃ、決まり。ゴーゴーセルリア～!｣

｢人を乗り物扱いすんじゃねぇー。｣


俺の言葉などお構いなしに、ドールは俺を押しながら進む。
話を聞けよ、つくづく似た兄弟だ。