【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
人がいない所為か、足音が明確に聞こえてくる。
其れがぼくを余計に焦らせる。
足音が近付いて来る。ゆっくりだけど、確実に近付いている。
「あの人、誰なの...!?」
「...ハァ、ハァ、...お姉さんの...仇...。」
「えっ...。」
ベティの足が止まる。
「仇って...?」
ぼくは唾を飲み込んで、ベティの質問に答える。
「お姉さんの弟を...殺した奴だと思う。ぼくを、狙って来たから...多分、合ってる。」
「嘘...、じゃ、私...其の人と話をしたの?」
「そうだよ...。」
ベティは口元を手で押さえて、涙を流し始めた。
彼女は其れ程ショックだったのだろう。
「お姉さん...。」
ベティに近付いて、服の裾を引っ張る。
ずっと此処にいるのも危険だ。1番良い状況はセルリアかドール、または其の2人に出会う事だ。
今のぼくは無力同然だ。
ベティの手を握って、先へ進もうとしたがベティに突然抱きしめられた。
涙はまだ流れている。
「もう絶対死なせないッ!!私の、私の弟なの!!嗚呼!エトワール!!!エトワール!!」
「ちょ、お姉さん!...離して!」
「絶対離さないわッ!!エトワール、どうして...どうして、私を置いていったの?貴方が居なくなって、私がどれ程寂しかったか。」
「お姉さん...!!」
混乱しているのか、ぼくの言葉は届いていないようだ。
このままではあの男に追い付かれてしまう。
其れがぼくを余計に焦らせる。
足音が近付いて来る。ゆっくりだけど、確実に近付いている。
「あの人、誰なの...!?」
「...ハァ、ハァ、...お姉さんの...仇...。」
「えっ...。」
ベティの足が止まる。
「仇って...?」
ぼくは唾を飲み込んで、ベティの質問に答える。
「お姉さんの弟を...殺した奴だと思う。ぼくを、狙って来たから...多分、合ってる。」
「嘘...、じゃ、私...其の人と話をしたの?」
「そうだよ...。」
ベティは口元を手で押さえて、涙を流し始めた。
彼女は其れ程ショックだったのだろう。
「お姉さん...。」
ベティに近付いて、服の裾を引っ張る。
ずっと此処にいるのも危険だ。1番良い状況はセルリアかドール、または其の2人に出会う事だ。
今のぼくは無力同然だ。
ベティの手を握って、先へ進もうとしたがベティに突然抱きしめられた。
涙はまだ流れている。
「もう絶対死なせないッ!!私の、私の弟なの!!嗚呼!エトワール!!!エトワール!!」
「ちょ、お姉さん!...離して!」
「絶対離さないわッ!!エトワール、どうして...どうして、私を置いていったの?貴方が居なくなって、私がどれ程寂しかったか。」
「お姉さん...!!」
混乱しているのか、ぼくの言葉は届いていないようだ。
このままではあの男に追い付かれてしまう。