君色パレット



やがて陽光が斜めに差し始め、亮人は一人で、道を歩いていた。



斜光が歩道に亮人の長い影をつくり、それは彼の歩調に合わせて動いた。



亮人は何気なく立ち止まり、後ろについた自分の影を見る。



逆光線が、彼の黒い制服をさらに深い黒へと染色した。





道路にはびこる自身の影を見て、亮人は
ふっと、微笑んだ。



             –fin–

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