はるのリベンジ
プロポーズ




ここは、長州の中でも、田舎の山のふもと。



私は、ここで、父と二人で暮らしている。



花村 はる15歳。父 花村 徳治32歳。



私は、父と、血が繋がっていない。



父は、私の母の幼なじみで弟のような存在だったらしい。



そして父はずっと母を愛していた。


本当の父は、病で死んだ。


そんな母を、ずっと前から、愛していた父は、私ごと引き取ってくれた。




しかし・・・。母も、数年前に、事故で死んだ。



父は、それから、私を、男手ひとつで育ててくれた。




身寄りの無かった私は、あの時、父に捨てられていたら、廓にでも売られていたであっただろう。




父は、私を、とてもかわいがってくれた。



しかも、うちは、とても貧乏だ。



家の身分は下士の最下層。足軽だ。



だから、普段は、小さな道場を開き、畑をしながら、生計を立てていた。





父に教えられて、近所の子供と、道場で汗を流す。平凡だけど、幸せな日々だ。






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