はるのリベンジ
ドンっ。
「痛ってぇな・・・。」
下を向いて歩いていたため、誰かにぶつかった。
はる「すいません・・・。あ・・・。」
目に入ったのが、お坊様の袈裟だった。
ギュッと袈裟を握りしめ、お坊様の顔を見た。
そのお坊様は、坊主頭ではなく、ザンギリ頭。
物凄く嫌そうな顔だったが、私の顔を見て、固まる。
私は、とっさに、
はる「お願いします。父に・・・。父に・・・。お経を・・・。っ。」
読んで欲しい。そう言いたかったが、嗚咽で、言葉が出てこない。
すると、お坊様は、チラリと大八車を見た。
「ついてこい。」
そう言って、スタスタと先を歩く。
そして、私は、大八車を引きながら、ついていった。