はるのリベンジ
私が、廊下を歩いていると、数名の隊士に足を引っ掛けられる。
いつもの連中か・・こいつらは武田助勤の隊の奴か・・・。
でも、転けない。フンと鼻を鳴らして歩いてると、後ろから跳び蹴りをされた。
はる「っ・・・。」
背中に思いっきり喰らう。
くるっと振り向き相手を睨む。
「あーあ。間者がここにいるわー。粛清しないとなぁ?」
「長州征伐んときのぜってーわざと寝てたんだろ?味方は斬れねぇってか?」
「沖田助勤の次は、土方副長に色目使ったんだろう?色小姓野郎。」
はる「弱い犬ほどよく吠えるって本当ですね?剣じゃ俺に、勝てないから、そうやって嫌がらせ?そんな暇あるなら、素振りの一つでもしたらどうですか?俺のことは、何とでも言ったら良いですけど、沖田助勤と、土方副長の事は、悪く言わない方が良いと思います。では、失礼します。」
「何だと。コラァ!」
すると、肩を組まれて、引きずられ、裏の人気のない、庭に連れて来られる。
「オメェ、間者だろ?この長州野郎。俺らが出て行きたくなるようにしてやるよ。へへへ。にしても、お前、本当におなごみてぇだな。調べてやるよ。隅々まで。」
はる「それが、目当て?俺に、惚れてるんですか?」
「なっ。自惚れんなっ!」
腕を掴まれ、押し倒される。
はる「やめ・・ふぐっ!」
「大人しくしとけよ。可愛がってやるから。」
一人に両手を抑えられ、もう一人に、口を塞がれ、もう一人は、上に乗られ、袴の紐に手を付けようとしていた。
はる「んん!んんんー!」
ヤバい!女とわかったら、大変な事になる。
すると・・・。
「止めろっ!」
その声に、全員が、手を止める。
その隙に、手を払いのけ、口に置かれた手を、噛んだ。
「痛たたたた!」
そして、目の前にいる奴を、頭突きした。
ゴンっ。
「痛てっ。」
何とか、逃げれた。
はる「はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。危なかった・・・。」
でも、さっきの誰だろう・・・。
私は、土方副長の元に行く。
はる「土方副長、少し、宜しいでしょうか?」
土方「あぁ。」
はる「お願いがあって、来ました。」
土方「何だよ。」
はる「もし、身の危険があれば、どんな相手だろうと、刀を抜くことをお許し願えないでしょうか?」
土方「どんな相手でも・・なぁ・・・ふっ。許してやる。」
“どんな相手でも”どうやら、隊士の事と、土方副長は、理解してくれたようだ。
はる「ありがとうございます。」
私は、そう言って、出て行く。
次、仕掛けて来たら、容赦なく、斬ってやる。