はるのリベンジ
私は、平穏な、毎日を過ごしていた。
土方副長に、呼ばれ、書簡の手伝いをさせられている。
まぁ、主に、墨を擦って墨汁を作ったり、紙を用意したりなのだが・・・。
墨を、擦ろうと、手に取ると、
はる「うわっ。」
べっとりと手に墨が付く。
これって、もしかして・・・。
と、思うのと同時に、
土方「総司だ。」
あぁ・・・。やっぱり・・・。
手を、洗いに行き、戻って、布で、墨を拭く。
そして、墨を擦って、土方副長に渡す。
筆も渡そうとしたとき、筆の毛先が、バッと、弾かれ、墨が跳ねた。
はる「うわっ。」
土方「ぶっ。」
はる「何これ!?あ・・・。筆の中に、茶筅のような物が仕込んである!なんと手の込んだことを!」
そして、土方副長の顔は、さわってしまったようで、真っ黒になっている。着物も、あちこち、真っ黒だ。
その姿を、見てると、おかしい。そして、土方副長と目が合って、
土方・はる「・・・。っぷ、あははははは。」
笑った。
はる「土方副長!お面を被ったように真っ黒です。」
土方「そう言うお前は、点々付けて、っぷ、はははっ。」
私は、先に、お風呂を沸かして、土方副長に、入ってもらい、その後、自分も入る。
はる「やっと、綺麗になった。次は、着物だ。」
私は、土方副長の着物と、自分の着物を、井戸の近くでゴシゴシ洗う。
はる「なかなか、取れないなぁ・・・。くそっ。」
すると、この悪戯の犯人の声が背中からした。
沖田「何やってるのぉ?」
はる「見てわかりませんか?どっかの誰かさんに、悪戯をやられて、洗濯してます。」
沖田「誰だろうねぇ。そんな悪い奴は。」
はる「本っ当にねぇ!!」
と、沖田助勤を睨んだ。
すると、手拭いを頭に置かれ、ゴシゴシ拭かれる。
はる「ちょっ、ちょっと!沖田助勤!」
沖田「髪の毛、濡れてる。」
はる「あぁ・・・。ありがとうございます。」
目があった瞬間、沖田助勤は、固まって息を飲む。
沖田「っ。」
沖田助勤は私の頬にゆっくりと指を滑らす。
はる「沖田・・助勤?」
すると、ハッとして、「じゃあね。」と行ってしまった。
はる「沖田助勤、どうしたんだろう・・・。」
私は、また、着物を洗う。