はるのリベンジ
久々の密偵
10月に、近藤局長達が江戸へ仲間集めから戻って来られた。
伊東 甲子太郎という一派が入った。
藤堂助勤の師匠か・・・。
私は、3番隊の方々と共に、挨拶に行った。
このお方は、何かを企んでいる。
第一印象は、あまり良くなかった。
私は、藤堂助勤に、呼び出された。
はる「何でしょうか?」
藤堂「伊東先生が、梅と話しをしたいって。」
はる「はぁ・・・。」
藤堂「そんなに、固くならなくていいよ。取って、食ったりしないから。」
はる「藤堂助勤がそんな事しないってわかってますけど・・・。」
藤堂「へぇ。俺って、そんなに、信用あるんだ。」
はる「はい。それはもう、これくらい・・・。」
と小指の爪の先を見せる。
藤堂「ほぼ、ねぇじゃねぇか。」
と笑う。
そして、部屋に入ると、伊東一派の方々がいて、私達が入ると、人払いをして、私と、伊東様、藤堂助勤の3人だけとなる。
伊東「わざわざ、来てくれてありがとう。」
はる「いえ。それで、お話とは何でしょうか?」
伊東「君は・・・。長州出身なんだってね・・・。しかも、ここには、通常だと入れない。」
この人、私が、おなごだって知ってるのか・・・。
伊東「あなたの武勇伝を、藤堂君から聞きましたよ。とても、興味深い人です。」
はる「それは、どうも。」
伊東「それで、ですね。あなたは、長州の色々な方と友人だと聞きました。そんな、人脈を持つ、あなたが、側にいてくれると、心強い。」
はる「長州は、今、ボロボロです。あなたが言う『旨み』などありません。」
伊東「えぇ。でも、あるに越したことはない。」
はる「私は、誰の側にもいません。私が心底、お仕えしたいと思うのは、長州の高杉様にございます。ここにいるのも、あの方の命だから。」
伊東「それは、ある意味、自分が、間者だと、言ってるようなものだと思いますが?」
はる「別に、ここの情報なんて、あの方は、いらないと思いますよ?」
伊東「まぁいいです。気が向いたらいつでも来てください。」
はる「はい。お誘いありがとうございます。それでは、失礼します。」
そして、私は、外に出た。
なるほど。
この人は、ここの中を、かき乱したいみたい。
少し、監察しといた方が良いのかもね・・・。