はるのリベンジ
私は、もう一人、気になる人の所へ行く。
山南副長。
私の拷問の際、既に、少し、引きこもりがちだった山南副長。
私の言葉は彼を傷付けた。
はる「山南副長。よろしいでしょうか?」
山南「はい。どうぞ。」
私は、部屋に入れてもらう。
はる「山南副長。あの・・・。拷問の際、私は、山南副長を怒らせる為、酷い言葉を言いました。本当に、申し訳ありません!」
私は、頭を下げた。
山南「あの時は、私も、すまなかった。沖田君に止められなかったら、私は、君を殴り殺していた。」
はる「いえ、当然の事です。」
山南「でもね、君の言ったことは本当だよ。私と土方君は、違う。そして、近藤さんは・・・。土方君を、望んでいる。」
はる「そんな事、ありません。人斬り集団の中に、お釈迦様がいる。それは、あなたです。町の人達からも、ここの隊士からも慕われている。だから・・・っ。」
山南副長の気持ちを少しでも上げたくて、声を荒げていると、外で声がした。
「山南殿。少し、よろしいか?」
襖を開けると、伊東様がいた。
なんで、コイツがって、いやいや、違った。伊東様がここに?
すると、山南副長は、嬉しそうに、伊東様を、招き入れた。
山南「伊東殿とは、思想やら何やら、話が合うんだ。」
伊東「えぇ。まさか、小川君が、ここにいるとは思わなかったけどね。小川君は、毎日、私の講義を聞きに来てくれているんですよ。」
伊東様は、にっこり笑いながら言う。
私、殆ど聞いてないですけどね。
はる「ええ。まぁ。」
私も、にっこり笑いながら、答える。
山南「そうか。それは、良い心がけだね。」
はる「はははっ。そうですね。それでは、私は、これで失礼します。」
そう言って、外に出てきた。