はるのリベンジ
はる「今の言葉、訂正して下さいっ!!」
伊東「ふっ。あなたは、もう少し、賢い人かと、思っていましたが、アイツ等と同等でしたか・・・。残念ですねぇ。実力は、私の方が上ですよ?」
はる「うるさいわっっっ!!!!」
ビュン。
私は、刀を、振り下ろす。
伊東参謀は、ヒラリと避けた。
伊東「ふふふ。怒りに、任せる剣は、太刀を鈍らせるだけですよ?ククク。」
そして、伊東参謀も抜刀し、今度は、狙ってきた。
カキィン。
受け止めた隙に私は、伊東参謀の横腹に蹴りを喰らわす。
伊東「グフッ。・・・。本当に、野蛮ですね。」
油断して、踏み込まれた。
間に合わないっ!
すると目の前に影ができて、誰かの背中に護られているのがわかった。
カキィン。
え?
それは、沖田組長。
そして、斎藤組長が、私を、羽交い締めにしていた。
沖田「梅ちゃん!何やってるの!!!」
はる「でもっ!」
沖田「『でも』じゃないっっ!仲間に・・・。しかも、参謀に刀を抜くなんて、どうかしてるよっ!局中法度に触れることだよっ!」
すると、土方副長が来て、
土方「伊東参謀に謝れ。」
と言ってきた。
はる「絶対に嫌です!」
土方「謝れっっっ!!!!」
怒鳴り声に一瞬、ビクッとなる。
土方副長は、そっぽを向いた私をしゃがみこませ地面に、頭を押し付けた。
土方「謝れ。」
悔しい!悔しい!悔しい!悔しい!
でも・・・。仲間に、刀を抜いて、私闘を仕掛けたのは、私で・・・。あのまま、飛び込まれていたら、斬られてた。
はる「伊東参謀・・・・・すいませんでした・・・。」
伊東「ふふふ。別に、良いですよ。私も、君のことは気に入ってるし、元気があって、よろしい。」
そう言って、頭を撫でてきた。
はる「っ!」
悔しさで、涙が滲む。
泣くもんか。
絶対、泣くもんか。
立ち去ろうとした、伊東参謀の背中に、声をかけた。
はる「伊東参謀!」
伊東参謀は、止まり、振り向く。
伊東「何ですか?」
はる「俺は、長州へ帰ります。あなたにここで挨拶を。俺は、色々な人を見てきた。長州の高杉様、桂様、他にも・・・。新選組の方々。どの人を見ても、それだけの魅力があって、器の大きさを感じる。でも、あんたは・・・。あんたの夢見る器は持っていない。負け犬の遠吠えに聞こえてると思いますが、あんたの思い通りには行かない。それでは、今まで、ありがとうございました。」
伊東「ふっ。本当に、負け犬の遠吠えですよ。」
はる「あともう一つ。あなたの講義は、全く、面白くない。次から、藤堂組長に代わって頂いた方がよろしいかと。藤堂組長の方がわかりやすく面白かったですよ?」
伊東参謀はフンと鼻を鳴らして、去っていった。