はるのリベンジ
大会当日、皆は、燃えていた。
優勝すれば、『島原へ連れて行って貰える』というのが戦利品だ。
勿論、近藤先生と、土方さんの奢りらしい。
私は、そんなものどうでも良かった。
すると、私の隊の子達が、コソッと報告する。
「梅の事ですが・・・。最近、五番隊に嫌がらせを受けているようです。」
沖田「知ってる。でも、梅ちゃんが、何とかするって言ってるみたい。それで、副長にこれをお願いしたんだ。」
「なるほど。だったら、俺らも、正々堂々(仇討ちを)出来るって事ですね?」
沖田「そうだよ。もう、手を出そうなんて思わないくらいヤっちゃって良いよ。」
「お・・沖田組長。怖いです・・・。」
三番隊が先に五番隊と当たる。
すると、梅ちゃんが一人で出てきた。
しかも、実践方式を梅ちゃんは、希望した。
胴着も着けず、竹刀を持ち、微笑んでいる。
一人で、この五番隊の一人一人に勝ち抜いている。
そして、嫌がらせをしている奴と当たった。
さっきまでとは動きも、全く違い、打ち込みまくっている。
そして、相手の胴着の隙間から突いた。
転げて苦しんでいる相手の背中を掴み、立たせて、蹴りを喰らわしている。
そして、また、竹刀を持ち、打ちまくる。
梅之助「これは、沖田組長と土方副長を馬鹿にした分!!」
梅之助「これは、俺の体に触れた分!!」
梅之助「これは、俺と土方副長を池に落とした分!!」
梅之助「これは・・・。」
そのうち相手はボロボロになり、参ったと言った。
他の二人も同じ様な事になっており、動けずにいた。
驚いたのは、武田さんにも勝った事だった。
へぇ・・・。梅ちゃん、強くなったんだぁ・・・。
そして、その惨劇を皆は息をするのを忘れるように見ていた。
すると、梅ちゃんは、嫌がらせしてた奴らの所へ行き、
はる「土方副長に、身の危険を感じたら、どんな相手だろうと、刀を抜いて良いと言われています。次、何かしてきたら、容赦なく、斬りますから・・・。」
と黒い笑みを浮かべて言った。
道場が静まり返ったのも気にする様子もなく、三番隊に帰って行った梅ちゃんの頭にポンと斉藤君が手を置いて、褒めていた。
それ、私がしてあげたかったな・・・。
何とも言えず、苦しくなった・・・。