はるのリベンジ
そして、しばらくすると、近藤先生が、伊東という人を連れ江戸から戻られた。
近々、長州征伐の計画があるらしく、そのため剣豪を揃えたかったとか。
ただ、この伊東という人は、嫌な感じだ。
人当たりは良さそうだが、裏がある。そんな感じ。
この人の周りにいる人達も、どうも嫌な感じだ。何だろう。わからない。
そんなとき、梅ちゃんが、藤堂君に連れ立って、伊東さんの部屋に入って行った。
私は、すぐに、土方さんに、報告をする。
沖田「梅ちゃんが、伊東さんに呼ばれて、部屋に入って行きました。」
土方「はぁ・・・。お前・・・。また、追っかけてんのかよ・・・。」
すると、そこにいた近藤先生まで、
近藤「総司は、あの二人を見ていたのに・・・。よっぽど、好いていたんだなぁ。」
と言った。私は、慌てて、
沖田「わ、私は、この想いは、もう、捨てたんです!」
近藤「全く、捨てたようには、見えないが・・・。」
土方「全くだ・・・。」
二人は、呆れている。でも、それとこれとは別で、土方さんは梅ちゃんを呼びつけた。
伊東さんに呼ばれた理由は『仲良くしたい』から。・・・。あの男、ふざけてんの!?
ムカムカと黒い気持ちが心を支配する。
すると、土方さんは、梅ちゃんに偵察を命じた。
毎日、毎日、梅ちゃんは、伊東さんの講義に出席している。
そして、いつも、他の人は、講義が終わると、他の人は、すぐ部屋から出てくるのに、藤堂君と梅ちゃんは、全然出てこない。
やっと、藤堂君が、出てきたと思ったら、今度は、梅ちゃんが、藤堂君の部屋に行く。
もしかして、講義で仲良くなって、恋仲になったのかな・・・。
私は、廊下を行ったり来たりする。
確かに、この講義が、始まって、急激に二人の仲は深まってるように思う。
この前の夕餉の時も・・・。
梅ちゃんが、藤堂君の横に来て、耳元に顔を寄せて、
梅之助「藤堂組長。今宵はご予定ありありますか?」
藤堂「無いよ。」
梅之助「では、この夕餉の後、お邪魔しても、良いでしょうか?」
藤堂「良いよ。でも、これじゃ、全て俺のみたいだ。」
梅之助「ありがとうございます!いえ、私は、藤堂組長でないと無理です。」
何、今の!?『全て俺の!?』『藤堂組長でないと無理』ってなにが!?
やっぱり、恋仲!?
二人が、部屋で何をするのか、気になる。
でも変な声とか聞こえてきたら立ち直れない。
その夜は、寝れずに、一晩過ごした。