はるのリベンジ
どのくらい、時が経ったのだろう。
梅之助「沖田組長。宜しいでしょうか?」
梅ちゃんの声がしたけど、誰かと、話す気になれなかった。
沖田「今は一人にしてよ。」
梅之助「嫌です。失礼します。」
断ったのに、梅ちゃんは、部屋に入ってきた。
梅之助「沖田組長。団子・・食べませんか?」
沖田「今、いい。そこに、置いておいて。」
今、そんな気分じゃない。
梅ちゃんは、団子を近くに置き、私の側に、座った。
梅之助「大丈夫ですか?」
沖田「何が?」
梅之助「あの・・・。山南総長の介錯をされたと聞いて・・・。」
沖田「だから?これって、名誉ある事だよ。」
わざと、棘のある言い方をする。
梅ちゃんは、何も言わない。
沖田「慰めに来てくれたの?」
梅ちゃんは、何も言わずに、頷く。
私は、一人になりたくて、梅ちゃんを、追い出したくて、でも、抱きしめてほしくて、温めて欲しくて、酷いことをした。
沖田「じゃあ、慰めてよ・・・。」
私は、梅ちゃんを押し倒し、唇を奪う。
何度も、何度も、唇を奪い着物の合わせから手を入れて、着物を脱がす。
舌で首筋を撫でると梅ちゃんの身体が揺れる。
梅之助「沖田組長!止めて下さい!」
沖田「慰めてくれるんでしょ?だったら、抱かせてよ?」
違う・・・。
どうして、こうなる。
沖田「ごめっ・・・。ごめん・・・。私・・どうかしてる・・・。」
こんな事をしたい訳じゃない。
ギュッと抱きしめると、梅ちゃんは、私の背中に、腕を回し、ゆっくり私の背中をさする。
私は、自分の心に絡まっている、気持ちを一つ一つ言葉にして、解いていく。
沖田「私ね・・・。裏切りが本当に、許せないんだ・・・。特に、幹部は皆の見本にならなくてはいけないのに、それを破るなんて・・・。でも・・・。今回は、許せない気持ちとか逃げてほしい気持ちとか色々あって・・・。ごめんね・・・。こんな事して・・・。梅ちゃんに、八つ当たりだよね。本当にごめん。」
そう言うと、腕に力を込めた。
梅之助「いえ・・・。いいんです。それで、沖田組長のお気持ちが少しでも軽くなるなら・・・。」
沖田「ありがとう。梅ちゃん・・・。」
この温もりに包まれていたくて、今度は、気持ちを込めて、口付けする。
ねぇ、梅ちゃん。この穴の開いた気持ちを埋めてよ・・・。
色んなところへ口付けをする。
沖田「ごめん。今日だけ・・・。今日だけ、許して・・・っ。」
しばらく梅ちゃんを抱きしめて、温かさを感じているとやっと、目から涙がこぼれ落ちた。
そして、いつの間にか眠っていた。