はるのリベンジ
朝、まだ薄暗い夜明け。
いつも、この時間に目が覚める。
隣では、愛おしいその人は、規則正しい寝息を立てている。
私は、褥を抜け出して、散らばった着物を集める。
そして、ここの女将さんに、店を出ることを許してもらった。
男装をして、外に出る。海辺の側で、刀を抜き、素振りをする。
沖田組長と斎藤組長の組の鍛錬の項目を全て、やり終えて、部屋に戻る。
はる「寝てる・・・。」
本当にこのお方は、何をするにも色っぽい。
そう、思うのは、私が惚れているからだろうか?
また、女の格好をして、湯浴みをさせてもらう。
そして、部屋に戻ると、東行先生が起きていた。
はる「おはようございます。」
東行「どこへ行ってた?」
はる「稽古と湯浴みです。」
東行「勝手にいなくなるな。昨日のは、夢かと思ったぞ・・・。」
そう言うと、東行先生は、ギュッと私を抱きしめて、褥に引きずり込む。
はる「と、東行先生!もう、朝です!」
東行「あぁ。だから?」
はる「だから?それは・・・。その・・・。朝餉を・・・。」
東行「お前で良い。」
優しく頭を撫でられ、口付けを交わす。
それが、だんだん、甘いものになっていく。
はる「東ぎょ・・・。」
東行「はる・・・。名前・・・。」
はる「春風様・・・。」
私達は指を絡めて、この甘い現実を何度も確かめ合った。