はるのリベンジ
気がつくと、私は、上半身、包帯に巻かれていた。
周りを見渡すと、東行様の向かいに、殿方が一人いた。
はる「あの・・・。」
小川「やぁ?気分は、どう?」
はる「はい・・・。大丈夫です。」
小川「僕の名前は、小川 西鶴と申します。高す・・・。」
バシッと東行様が小川様の頭を叩く。
小川「痛いっつーの!もう!ちょっと間違えただけだろ?ったく。・・・。ごめんねぇ。こんなんで。コイツとは、悪友でね。俺は、この近くで、闇医者してんの。」
はる「闇医者・・・。」
小川「そうそう。独学しかしてないのに医術で金を稼いでる。」
はる「あぁ・・・。なるほど。」
東行「はる。お前には、コイツの娘と息子になってもらう。」
はる「娘に息子?」
東行「壬生浪士組に入るには、男しか入れない。でも、おなごのお前・・・。はるもいた方が、色々と、動きやすい。」
はる「なるほど。」
東行「あぁ。先ずは、壬生浪士組に潜入する。隊士としてな。で、中の書簡を調べる。誰が、お前の父を捕まえて、誰が、拷問をかけたのか、だ。」
はる「はい。」
東行「ひと月だ。ひと月で、医術、男の振り、剣術・・・密偵、これを身に付けろ。で、これが、心得だ。読み上げろ。」
書簡を渡される。