はるのリベンジ
そして、俺は、丙寅丸に乗り込み、奇襲をかける計画の準備をする。
そして、船は出航。
しばらくして、色々な場所から、報告を受ける。
何故なら、蒸気船など、ましてや、軍艦など、殆どの者が操縦したことがない。
手探りで動かしている。
すると、見覚えのない小柄な男が、記録を置いて来て立ち去ろうとする。
俺は、肌で感じる。
俺は、ため息を一つついて、その男を呼び止める。
東行「お前、ちょっと待て。」
すると、男の体がビクッと揺れる。
やっぱり、そうだ・・・。にしても、何なんだ。あのヒゲは・・・。笑える。
東行「お前。総督室に、い・ま・す・ぐ・茶を持って来い。わかったな?」
はる「は・・・。はい。」
部屋で、待っていると、戸を叩く音がした。
東行「入れ。」
はる「失礼します。」
はるは、俺にバレたのを、隠そうとしているのか、すぐに出ていこうとする。
はる「失礼しまし・・・。」
ダンっ!
戸を閉めて、俺の手ではるを囲って逃げれないようにした。
俺は、威圧的に問う。
東行「さぁ。説明しろ。なぜ、お前がここにいる?」
すると・・・。
はる「な、な、なんの事でしょうか?俺は、奇兵隊として・・・。」
シラをきるつもりか・・・。
東行「ほぉ。さすが、密偵を仕込んだだけある。ふっ。でも、ここに来たら、別れると言っておいた筈だが?」
はる「さぁ?何の・・・。(ビリッ!!)フギャ!」
口元に糊で貼っていた不格好なヒゲを思いっきり剥がした。
はる「ふぇ・・・。っっ。」
東行「ふっ。言う気になったか?」
はる「俺には、何のことか・・・(ベリッ!!)痛っっ!」
まだ、吐かないこのじゃじゃ馬に制裁をする。
東行「涙目になってるぞ?」
はる「それは、谷総督が・・・っ。」
しかし、言うことを聞かずここまで来ているのに、何故か嬉しくなり、口付けをする。
東行「はる・・・。会えて嬉しい。でも、危ないから遠ざけたい俺の気持ちもわかれ。」
はる「お、俺は、はるではありません!俺は、谷総督のお役に立ちたい!そのためだったら何でもします!どうか、ここに!あなたの側において下さい!お願いします!」
東行「はぁ・・・。本当に、じゃじゃ馬愛妾だな。最近、周りによく言われるが、これだとその言葉がお似合いだ。」
はる「東行先生・・・。」
東行「ここにいろ。その代わり、ここでは、俺は、総督だ。ちゃんと言うことは聞け。わかったな?」
はる「はい!ありがとうございます!っ!」
やはり、嬉しかった。確かに、おなごに戦争をさせるなんてもっての他だし、こんな所まで来るおなごもいないだろう。
別れると脅したのに、それを承知で、俺の側にいたいという。
俺の中には、嬉しい気持ちが湧き上がる。
無性に、はるに触れたくなり、唇に触れて、身体を重ねた。