はるのリベンジ
そして、私は、渋る武五郎様を連れて、花街へ行った。
店の女将さんには彼の事情を言い、芸妓を何人か呼んでもらう。
私と、手を繋ぎ、ビクビク怯える武五郎様。
ダメか・・・。
そして、また、違う芸妓を呼ぶ。
そう。一目惚れ作戦。
しかも、男を扱うのが上手な芸妓さんなら、この人の女嫌いを何とかしてくれるかもしれない。
それを何回か繰り返す。
はぁ・・・。ダメか・・・。
明日は、違う店だ。
家に帰ると、武五郎様が、抱きついてくる。
はる「久しぶりに楽しかったです。」
武五郎「そうかなぁ。はるが一番可愛かったけど?」
はる「いや。それじゃ、困るんです・・・。」
武五郎「え?」
はる「いえ、何でもありません。」
武五郎「おはる・・・。」
武五郎様は、そう囁くと、私の頬に、口付けをする。
唇を重ね、舌を絡ませられる。
マズい。最近、少しずつ深くなってる。
武五郎様は、袖口から手を入れて、腕から二の腕を撫でる。
時間がない。
これだけ愛されているのに、何にも思えない。
私は、東行先生の文が欲しいだけ・・・。
武五郎様が文を燃やしたりしたら、私は、このお方を斬ってしまうだろう。
身体だってそうだ・・・。武五郎様と身体を重ねるなんて・・・。東行先生意外の人に触れられたくない・・・。
今の口付けだって、ずっと、気持ち悪いと思ってる。
先生の触れたところを、汚さないで欲しい。