はるのリベンジ







そして、宴会の日が設けられた。





私は、女装というのも変だが、女の格好をしている。





そして、座敷へ通された。




襖を開けて、入ると・・・。




シーーーーン・・・。



え?何故?



すると・・・。



永倉「お前、やっぱり別嬪だ!今宵は、俺と帯を解け!」


はる「永倉組長・・・。小常さんに言いますよ・・・。」


永倉「う゛・・・。」



小常さんは、永倉組長のお気に入りの芸妓さんだ。




原田「いやぁ。前より色気が出たなぁ。」



はる「一応、礼を言います。ありがとうございます。」




そして、近藤局長に酌をしに行く。



はる「今日はこのような席を設けて頂きありがとうございます。」



近藤「いや。それにしても、綺麗になったな・・・。総司を・・・っ。総司を頼むっ!あんな奴だがっ・・・っ。」



近藤局長は、涙を浮かべて、私に頭を下げてきた。



はる「頭を上げて下さい。こちらこそ、宜しくお願いします。」





そして、次に、土方副長の所へ行く。



はる「土方副長。どうぞ。」



土方「あぁ。」



お酌をしていると、土方副長にいきなり抱きしめられる。




そして、耳元で、



土方「本当の夫婦になるんじゃねぇなら奪ってもいいか?」



はる「え?それって・・・。」



どういう意味?



そう聞こうとすると、沖田組長が、



沖田「ちょっと!何、抱き合っているんですか!!」



と、私達を剥がしに来た。



土方「チッ。邪魔が、入ったなぁ?梅。接吻の一つでもしてやろうかと思ったが・・・。また、今度だ!」


沖田「今度なんてありません!」



ここは、賑やかだ。



そして、珍しく、山崎さんも来ている。



はる「珍しいですね?こんな所に来るの。」



山崎「まぁな。ほんまにめっちゃ綺麗やわ。もう無理・・・。」



そう言って、抱きついて泣いている。



妹を嫁に送り出す兄の気持ちなのか?




私も腕を山崎さんの背中に回しポンポンとしてると・・・。



沖田「またぁ?ダメですよ!梅ちゃんは、こっち!」




そう言って、沖田組長の隣に座らされる。



沖田組長、お酒の飲む勢い早いな・・・。



はる「沖田組長・・・。飲みすぎ・・・。」



沖田「おはるぅ~。可愛いね?」



色っぽい目で私を覗き込み、私の髪を撫でて、時折、接吻をしようとしてくる。




酔っぱらってる・・・。私は、以前の酔っ払った沖田組長を思い出す。




はる「沖田組長!近藤局長にお礼を言いに行きましょう!ね?」



沖田「確かにそうだっ!」



近藤局長に抱きついて、近藤局長も「良かった!」と抱き合ってる。




その横に私がいて、私の左に、土方副長がいる。



私は、後ろからトントンと背中を叩かれる。



振り向くと、「シーーー!」と口に人差し指を当てた、原田組長がおいでと手招きしていた。



紙を渡されて、中を見ると、『接吻してと言え。』と書いてある。



なるほど!この二人の酔っ払いを騙すのね。



ふふふ・・・。


私は、二人の間に顔を近付けて、


はる「接吻して欲しいな?」



と、呟く。



すると・・・。



土方副長と沖田組長が、お互いを見ずに、手を握り合って、いきなりバッと振り向いて、接吻した。




そして、熱烈な接吻をしている。



二人とも目を瞑っているので、お互い、「ゴツゴツしてる」とか囁いている。



全員「ぷっ。アハハハハハハ!!」


その声に、二人とも、バッと目を開けて・・・。




土方・沖田「っ・・・。おっえぇぇぇぇぇ!!!」



土方「お前!何しやがるっ!」


沖田「土方さんこそ!」


土方「俺は、梅に接吻してって言われたからしたまでだ!」



沖田「それは、私に言ったんですっ!おはる・・・。じゃなくて、梅ちゃんが、土方さんにそんな事、言うわけないでしょうがっ!!!」



二人とも、ゴシゴシと口の中まで拭いている。



はる「アハハハ!どれだけ、二人、深く愛し合ったんですか?ぷぷぷっ!」



笑っていると、殺気を感じて・・・。見ると、いつの間にか周りには、誰もおらず、私は鬼の二人に捕まっていた。




土方「首謀者はテメェか?梅。」


沖田「いくら、愛しの梅ちゃんでも、土方さんと接吻させられた私の気持ちわかる?」



ズイッと寄ってこられる。



はる「ひっ。す・・・。すいません・・・。でも、お二人、仲良さそうでしたよ?」




土方「テメェ・・・。」

沖田「梅ちゃん・・・。」



土方・沖田「罰として、接吻!!」



はる「何で、そこだけ息ピッタリなんですか!!」



敵に回したくない最強の二人が手を組み、追いかけ回された。




最後は、近藤局長に助けてもらい何とか、唇は死守したのだった。



そして、そこで宴もお開きになった。




そして、婚礼祝いということで、一番良い部屋を、近藤局長が、用意してくれた。






はる「凄く豪華・・・。」



沖田「そうだね・・・。」



はる「体調、どうですか?」


沖田「ちょっと、疲れたけど大丈夫。土方さんの事があったからだけど!」



と睨まれた。



私は、視線を逸らした。



すると、沖田組長が腰を下ろして、手招きする。



そして、お酒を注がれる。


私も、沖田組長のお猪口にお酒を注ぐ。



そして、献盃をし、三三九度の真似をした。



沖田「これで、夫婦だね?」



はる「はい。宜しくお願いします。」



沖田「こちらこそ。」



すると、手から、お猪口を、優しく奪われて、膳の上に返される。




そして、沖田組長は、私を抱きしめた。



沖田「おはるちゃん・・・。今日から、おはるって呼んでも良い?」



はる「もちろんです。」



沖田「では、おはる?」



はる「はい。」



沖田「・・・。」


何?


沖田組長は、何かを待っている様子。



はる「何でしょうか?」



沖田「私も呼んで?」



はる「沖田組長?」


沖田「ちょっとー。それ違うから!」



はる「では・・・。総司様?」



沖田「う・・・。もう一回・・・。」


はる「総司さまっ・・・。」




言い終わる前に、接吻された。



唇が触れたまま、「もう一回、呼んでよ。」と囁かれる。



「総司様」と言いたいのに、唇を奪われる。




手を引かれ、褥に誘われる。



そっと、褥に、寝かされて、沖田組長は、私に、覆い被さる。




髪の毛を撫でられ、



沖田「おはる・・・。愛してる・・・。」


はる「総司様・・・。」



愛してるとは、まだ言えない・・・。



そんな、私の気持ちに気づいたのか、沖田組長ではなく、総司様は、フッと笑い。



沖田「無理しなくて良い。」


と言った。



今の私の気持ちは・・・。



はる「総司様・・・。大好きです。」


そう言うと、総司様は、少し赤くなり、「ありがとう。」と言い、唇を重ねた。




着物がはだけ、春風様以外の方と初めて、肌を重ね何度も、求め合った。




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