はるのリベンジ
年が明け、慶応3年。
私は、風邪をひいた。熱はひいたが咳が残った。
スッキリしない・・・。
そして、少し温かくなった頃。
以前、高杉が屯所に乗り込んできた時に一緒に来た、梅ちゃんの父の小川殿と月隈殿が来た。
小川「お久しぶりですね。少し、顔ぶれが変わりましたか・・・。まぁ、組織としては、そういうものですね・・・。」
近藤「お久しぶりです。で?今回はどういった用件で?」
月隈「これを、はるに渡して欲しい。」
文?意味が分からない。自分達の方が、渡せるのに・・・。
小川「先日・・・。谷が病で亡くなりました。これは、彼からはるへの文です。谷は、はるが、笑える場所を見つけることを望んでる。谷は、自分がいなくなったら、はるが壊れるんじゃないかと心配してた。そして・・・。今、はるは、心が壊れてる・・・。」
沖田「え?壊れてる・・・?」
小川「あぁ。はるは、壊れてる・・・。医者の俺から見て・・・。というか、誰が見てもわかる程だよ・・・。」
沖田「そんな・・・。」
私は、今すぐにでも、梅ちゃんに会いたかった。
そんなに、苦しんでるなんて・・・。
月隈「敵である長州の奴を受け入れるなんて・・・と思う。上手い話がないと・・・。ですよね?」
土方「どういう意味だ?」
月隈殿は、はるちゃんの武勇伝を語る。
皆、絶句・・・。
全員「・・・。っぷ。あははははは!」
土方「梅の奴・・・。さすがだっ・・・。くくくっ。しかも、じゃじゃ馬愛妾って・・・。くくく・・・。」
さすが梅ちゃん!やっぱり、私が惚れたおなご!
でも、壊れてるって、心配すぎる。
そして、二人が帰った後、幹部会議。
もちろん、議題は梅ちゃんをどうするか・・・。
沖田「こっちに呼びましょう!」
土方「しかし、間者になる可能性がある奴だ・・・。しかも、おなごだ・・・。」
永倉「でも、梅はそれなりの実力があるんだろう?」
原田「それが、うちの戦力になるならいいじゃねぇのか?」
沖田「それに、梅ちゃんがもし、新選組に帰ってくるなら、きっと、覚悟を持って帰ってくると思います。」
土方「何でわかる?」
沖田「私と同じだから。師を想う気持ちや覚悟が同じです。だから、戻るって決めたら、絶対、新選組の為に働いてくれますよ。」
皆はその事をわかっている。
そして、谷の文を開いた。
『新選組の皆様へ』から、始まる文で中は、はるを頼むという内容だ。
沖田「何だか惚気を聞かされてる気分・・・。」
土方「あぁ・・・。」
原田「そう思うのは、梅に惚れている奴だな。」
土方・沖田「なっ・・・。」
永倉「あぁ。ってことは・・・。」
永倉さんは、私と土方さんを指差してニヤニヤしている。
沖田「梅ちゃんが、戻ってくるなら、私が幸せにします!」
原田「おぉー!言いやがった!」
永倉「はははっ。まぁ、頑張れ!」
そして、近藤先生が、
近藤「梅君を迎えよう!歳。頼む。」
土方「あぁ。山崎。」
山崎「はい。」
土方「長州までだ。行けるか?」
山崎「行ってみせます!」
土方「頼んだ。」
そして、山崎さんが、長州に向かった。