はるのリベンジ
その頃から、沖田組長の体調は、日に日に悪化していった。
寝込むことも多くなる。
私は、医術書を読み漁り、小川先生にもよく相談していた。
治療法がない・・・。
でも、絶対、諦めない。
しかし・・・。
沖田「ゲボッ。ゲボッ。ゴホッ。ゴホッ。ゲバッ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。」
総司様は、血を吐いた。
はる「総司様・・・。」
私は、総司様の口元を手拭いで拭いて、背中をさする。
はる「沖田組長・・・。近藤局長と、土方副長に報告します。いいですね?少し、任務を減らすべきです。総司様にしか出来ないこともあるかと思いますので、出来る限りは、日常の任務は、医術担当として他の方に任せるべきと判断します。」
総司様は、ギュッと、私に抱きついてコクリと頷いた。
私は、熱のある総司様が落ち着いてから、土方副長の所へ行く。
はる「土方副長。梅です。宜しいでしょうか?」
土方「あぁ。」
「失礼します。」と部屋に入る。
はる「お話ししたい事があります。」
土方「まさか、ヤヤコ出来たから辞めるとかか?」
はる「違います。」
冗談を言う雰囲気で無いことを悟り、土方副長は、真剣な顔つきになった。
土方「何だ?」
はる「沖田組長の体調の件で報告があります。」
ピクッと土方副長の眉が上がる。
ジッと見つめられる。
はる「労咳を患っていらっしゃいます。」
土方「やはりそうか・・・。」
はる「はい。色々と調べてはいますが、治す方法が見つからないです。」
土方「そうか・・・。」
はる「このまま、何も出来なければ・・・。一年もつかどうかというところです・・・。」
土方「っ・・・。一年!?」
はる「はい。ですので、なるべく隊務は、休ませてあげて欲しいです。ただ・・・。ご本人は近藤局長の為に命を捧げるおつもりですので、必要な時は、頼ってあげて欲しいです。」
土方「わかった・・・。いつからわかってた?」
はる「私と、総司様が夫婦になると報告した前日にはわかっていました・・・。沖田組長の意志で出来る限り、隊士として・・・。近藤局長の為に働きたいと仰っていましたので・・・。」
土方「バカな奴だ・・・。」
そう言って、土方副長は、顔を手で覆う。
土方「近藤さんには、俺から言っておく。ご苦労だった。総司を頼む・・・。」
はる「はい・・・。」
私は、部屋を出た。
はる「っ・・・。」
私は、涙が零れそうになる自分の頬をパンッと叩いた。
はる「泣いちゃ・・・。ダメだ・・・。諦めない・・・。」