はるのリベンジ
私は戦場では負傷を負った者達を乗せた富士山丸に乗り込んだ。
私は、山崎さんの看病をする。
沖田組長は、他の怪我した人を励ますように、終始、明るく振る舞って冗談を言っていた。
沖田「笑うと後で咳が止まらなくなるので、困ります。ははっ。」
土器色の顔色になってる。
きっと、体は、しんどいのに・・・。
そして、その日の夕方・・・。
山崎さんの所へ行くと、
山崎「おはる・・・。」
はる「山崎さん?」
山崎「おはる・・・。」
譫言(うわごと)だ・・・。
私は、山崎さんを抱きしめる。
はる「山崎さん・・・。」
山崎「おは・・・る。」
山崎さんの腕がスルリと落ちた・・・。
はる「山崎さん・・・。山崎さんっ!・・・っ。」
その声に、近藤局長と土方副長が来た。
近藤「梅君・・・。山崎は・・・。」
私は首を横に振った。
近藤「山崎っ・・・っ。」
そして、山崎さんに白い布を掛けて船から下ろした。
海の中に少しずつ沈んで、山崎さんが見えなくなった・・・。
夕日に照らされ赤く染まった海を私はずっと見ていた。
はる「山崎さん・・・。ご立派な最後でした・・・。これ、大事にします・・・。」
私は、山崎さんの髪の毛を少し貰い紙に包み昔の浅葱色の布で巾着を作り、その中に入れ首からかけた。
それと、山崎さんが持っていた、顔を覆う頭巾だ。
苦しい。
すると、ヨロヨロと歩いてくる足音が聞こえた。
振り向くと、総司様がいた。
はる「総司様!体に障ります。」
すると、総司様は、私にもたれるように、抱きしめた。
しばらく、抱き合った後、私達は何も言わず、部屋に戻った。