はるのリベンジ
江戸に行った、新選組は半分の人数になっていた。
京に残って、新選組を脱走した者やもちろん亡くなったものもいる。
江戸に着くと、総司様は、治療のため医学所に入所した。
看病には、私と総司様の姉上ミツ様も手伝ってくれた。
ミツ「弟の為にありがとうね・・・。」
はる「いえ。私が総司様のお側にいたいだけなので。」
ミツ「そうかい?総司を頼むね。」
はる「はい。」
そして、近藤局長や土方副長、永倉組長も来てくれた。
私は、席を立ち、二人きりにする。
きっと、募る話もある・・・。
それから、毎日、喀血した。
沖田「はぁ・・・。はぁ・・・。」
はる「口をゆすぎましょう?お水どうぞ?」
沖田「ありがとう・・・。」
そして、しばらくすると、千駄ヶ谷の植木屋平五郎様宅に移ることになった。
はる「近藤局長が、離れを綺麗にしれくれたようですよ!」
沖田「そうなんだ・・・。」
そして、近藤局長が来て、話をしていった。
はる「今日は、楽しいお話しだったみたいですね?」
沖田「うん。甲府城攻めだって。勝ったら、褒美100万石だって。助勤は、3万石で大名だ!だって。」
はる「それはすごい!」
この日の総司様は、久しぶりに嬉しそうにしていた。
しかも、総司様もついていくと言う。
私は、心配で仕方なかった。
そして、江戸城での会議の後、甲州の支配を命じられた。
何故、甲州・・・。まるで・・・。
土方「江戸から遠ざけてるみてぇ・・・か?」
はる「っ・・・。さすが、土方副長・・・。」
土方「多分、お前の読みは当たってる。でも、行く。故郷もあるしな。それに、甲府は金山がある。」
はる「はい。」
そして、名前を、甲陽鎮撫隊を作り、200人近くを募集し、近代的な武器を持ち、慶応4年3月。江戸を発った。
しかし、訓練の時間は少なく、士気も低い。
一抹の不安が過ぎる。
最初に入った宿で、大きな宴が設けられた。
これで、士気が高まれば良いけど・・・。
奇兵隊の時とは明らかに違う隊士達の雰囲気に不安になっていた。
しかし、ここで、驚くべき事があった。
次の宿で、日野宿に着いた。
出稽古をしていた場所などがあり、近藤局長は、駕籠に乗り、大名行列のような光景だ。
それに、総司様も加わった。
沢山の弟子の子達が寄ってきていた。
沖田「はる、見て!あそこは、よく私が遊んでた場所だ!で、あそこは・・・。」
と嬉しそうに、私に教えてくれた。
はる「総司様の故郷に来れて幸せです。」
沖田「そう?そう言ってもらえて嬉しい。」
そして、土方副長の姉上の旦那様の家に泊まる。
そこで、夜、総司様は、皆の前で四股を踏む真似をした。
皆が、このまま、元気になってくれればと願った。
しかし、総司様の病状は、どんどん悪化する。