はるのリベンジ
旅立ち
強い衝撃の後、ザーザーという音で目が覚めると、知らない場所にいた。
隣に大きな河が流れている。
はる「ここは・・・?」
辺りを見渡すと、隣に土方さんが倒れていた。
はる「土方さんっ!」
顔に、触れると、ピクッと、動いて、ゆっくり土方さんの目が開く。
はる「良かっ・・。」
そう言おうと、思ったら、土方さんに抱きしめられた。
土方「おはるっ!」
私は、土方さんに無事を確認したくて、腕の中で、身じろぐ。
はる「良かった。ご無事だったんですね?」
土方「いや・・・。多分、死んだ・・・。」
はる「へ?」
土方「お前に会ったのが、証拠だ。お前は、俺を庇って、銃で撃たれて死んだ・・・。その後、俺も、撃たれた・・・。」
はる「じゃあ、ここは・・・?」
もう一度、辺りを見ると、そこには、一方方向で皆、同じ方向に歩いている。
はる「皆、同じ方向に進んでいますね・・・。」
土方「あぁ・・・。行ってみるか?」
はる「はい・・・。」
そして、歩いていると、大きな橋が見えてきた。
はる「橋・・・ですね?」
土方「あぁ・・・。」
すると、沢山の人がいる中に、愛しい姿を見つけ出した。
はる「嘘・・・。」
土方「え?・・・。総司・・・。山崎!?」
はる「東行先生っ!」
私達は、走って、3人のいる所へ向かう。
はる「東行先生っ!総司様っ!山崎さんっ!」
私は、東行先生に抱きついた。
沖田「やっぱり、そっちかぁ~。」
東行「当たり前だ。はる・・・。」
山崎「絶対、俺やと思ったのに。」
はる「総司様っ・・・。」
東行先生から離れて、総司様をギュッと抱きしめた。
沖田「おはる・・・。」
そして、
はる「山崎さんっ!あの時、私の代わりにあそこへ行ってくれたって、後から知って・・・。」
本当は、私が、確認報告をする場所が危ないということで代わってくれたのだと後から知ったのだ。
はる「もし、私が行ってたら、山崎さんではなくて、私が・・・っ。」
山崎さんに接吻された。
山崎「言わんでええって。俺が、間抜けやっただけやし。」
東行「オイ!お前、何してる!」
沖田「そうです!私の妻に。」
山崎「もう死んでるし、そんなん関係ないやろ?」
沖田「というか、土方さん!何で、おはるが、こんな早くにこっちに来たんですか?お婆ちゃんになった、おはるを探すっていう当て物してたのに!」
東行「病ですぐ死んだお前が言えるのか?」
土方「悪ぃ・・・。って、お前・・・。何なんだ!あの辞世の句はっ!しかも、返事の方が、上手いってなんだ!」
東行「いや・・・。その通りだと思うが?沖田と、山崎とで話してたら、お前が詠んでいた句は・・・。」
真っ赤になった土方さんが、「もういい!」と、拗ねた。
沖田「あ!そうだ!おはる・・・。近藤先生に会ったよ。何で、生きてるときに教えてくれなかったの!?腰が抜けたんだからね!」
はる「すみません。あの時は、それが良いかと・・・。」
すると、東行先生が私をギュッと抱きしめた。
東行「また、会えたな。もっと、先でも良かったのに・・・。」
はる「私は、これで、良かったです。」
そう言うと、東行先生は、私の唇に自分のを重ねた。
私は、気になっていたことを聞いた。
はる「ずっと、ここで待っててくれたのですか?」
東行「次は、夫婦になるって約束だからな。歳が離れすぎたら、出来ない。」
そう言うと、東行先生は、ギュッと腕に力を入れた。
はる「寂しかったですよね?」
東行「いや、そうでもない。すぐ、山崎が来たし龍馬にも会った。」
はる「あぁ・・・。そっか・・・。」
すると、横から、総司様が割り込み、私を攫う。
沖田「はる・・・。ごめんね。鬼の所に行かせたのは間違いだったね。」
はる「そんな事ありません。それがあったから、心が壊れませんでした。」
沖田「そう?それなら良かった。ねぇ。次も、夫婦になろうね?」
東行「何を言ってやがる。」
山崎「そうやわ!」
そう言うと、山崎さんが後ろから、私を抱き寄せた。
山崎「おはるって呼んでも良い?」
沖田「そっから?」
東行「お前は、友人にでもなっておけばいい。」
山崎「また?今度は、俺が、貰います。」
「いや・・・。俺だな。」
そう言うと、土方さんが私の顎を掴み、口付けた。
土方「今度は譲らねぇ。」
なんか、私、死んで、凄くモテている。
そして、私達は、仲良く、橋を渡った。