はるのリベンジ
再度、はるを抱いて、確信する。
俺とコイツは、肌の相性がいい。情事が終わっても、離れがたく、抱きしめていた。
でも・・・。そろそろ動かねぇとな。
いくら男装をしても、隠せないもの。それは、胸と首の喉仏。下は、隠れるから、何とかなるものの胸と首は、無理だ。
胸にサラシや首に布を巻きつけても違和感がない方法は、『傷を隠す』ということ。それが、刀傷なら、武士として、恥ずかしいと思うはず。
しかし・・・。
勿体ねぇな。結構、俺の好きな身体してんだがな。
それに、女が、傷だらけでは、もう、嫁に行くのは無理だろう。
まぁ、そん時は、俺が拾ってやるか・・・。
そして、刀を抜き、はるの身体中に、傷を付けた。
はるは、最初に斬った時に、気を失っていた。
俺は、悪友の小川を呼び出す。
小川「おぉ、高杉・・・。って、何だよ!これ!お前がやったのか?ひでぇな!」
東行「手当てしてくれ。それと、こいつの前では、特に、その名前を出すな!」
小川「へいへい。でも、お前、おなごには優しいのに、何でこんな事したんだ?これじゃ、この子もう、嫁の貰い手なんか、ほぼ無いぞ・・・。」
俺は、小川に今までの事情を話す。
小川は、手当てしながら、話しを聞いていた。
小川「可哀想に・・・。わかった!俺も手を貸す。多分、月隈も手を貸してくれるだろうよ。」
そして、目を覚ましたはるは、小川と挨拶を交わす。
俺は、計画を話した。
そして、心得を渡す。
ふっ。案の定、最後の一つで、真っ赤になって固まってる。
そして、小川は出て行く時、俺にしか聞こえない声で、
小川「心得に毎日抱かれろって・・・。そこに書くことじゃねぇだろ。・・・。くくくっ。まぁ、お前が楽しそうで安心したわ。良かったな。愛妾が見つかって♪」
東行「うるせぇ。」
ポンポンと俺の肩を叩いて、小川は出て行った。
俺は、紙と筆を渡した。
東行「起き上がれるようになったら、恋仲の奴に、婚礼の取りやめの文を書け。」
そして、数日後、それを、長州に届けさせた。
それと、同時に、はるが住んでいた家も売り払う。
きっと、復讐を無事に終えて帰っても、一人になるのは、目に見えている。
だったら、俺の側に、居ればいい。そういう気持ちで、家を売った。
はるも承諾した。
俺は、はるに、小川 梅之助という名を与えた。
“梅之助”俺の一番好きな花の名を付けた。