はるのリベンジ
入隊



壬生浪士組屯所前。


私は気合いを入れる。



はる「よしっ!」


私は、裏口からそっと、忍び込む。そして、書簡庫へ。



月隈先生からの教え。密偵の力を見て貰う。体験が一番。重要なのは、取る情報の質。


はる「きっと、これだ・・・。」


お金の事が書かれている。出納帳を懐に入れる。




はる「というか、ここ、借金ばっかり・・・。苦しいんだ・・・。」



そして、屋根に登り、観察した。



「土方副長、失礼します。」


あそこが、副長の部屋・・・。よしっ!あそこにしよう!


私は、屋根裏に忍び込む。


なんか、ここ、埃がない・・・。誰か通ってる。


間者?


まぁ、こんだけ不用心だし。入ってくれと言わんばかりだ。



そして、副長と呼ばれていた人の部屋の上に来た。



ちょうど、その部屋の主は、先ほど部屋に入った人を連れて出て行った。




私は、人がいないことを確認し、部屋に降りる。



はる「書簡だらけ・・・。何かあるかなぁ・・・。ん?」




手の込んだ所に、一冊の書簡。


手に取って見てみる。


はる「『豊玉発句集』?」


パラパラと頁を捲る。



はる「誰かが詠んだ俳句?豊玉さんって人が詠んだ句か?・・・。でも、どうしてこんな手の込んだところに隠してるんだろう・・・。ってもしかして、これ・・・。隠し言葉になってるのかも!!じゃないと、こんなわらしが書いたようなもの副長と呼ばれてる人の部屋のこんな手の込んだ所に隠すわけ無い!」



気付いて良かった!



これにしよう!


私は、それも懐へ入れると再度、屋根に登る。



先ほどの発句集を見る。



全ての俳句を、暗記し、隠し言葉を探る。



はる「『あはら屋に寝て居てさむし春の月』・・・。これ、当たり前の事だよね・・・。いやいや、隠し言葉が入るからこんな句になるんだって!・・・。でも、わからない・・・。」


色々な句を、考えるも、全くわからない・・・。



ここの副長は物凄く頭のキレる人かもしれない。



私は、時間もないことから、解読を諦めた。



< 32 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop