はるのリベンジ



門の前には、沖田助勤の組の人達が待っていた。



皆、私を、睨んでいる。


何で、睨まれてるの?



すると、沖田助勤が、私を紹介してくれた。


沖田「今日から、この組に配属された、小川 梅之助君。『梅ちゃん』とか、『梅』とかで呼んであげてね?」


隊士「・・・はい。」


何か、全く、歓迎されていない。と思ったとき、


沖田「ちなみに、この子、私の小姓だから。」


その、言葉に、皆が、バッと、こちらを見て固まる。


そして、目をキラキラさせて、


隊士「ほ、本当ですか!?」


沖田「うん!だから、仲良くしてあげてね?虐めたりしたら許さないからね?」


隊士「そんな事、絶っっ対しませんっ!他の組の奴らからも守ってみせますっ!」



何、これ?さっきまでは睨んで、歓迎されて無かったのに。



すると、全員が私を囲み、



隊士「本っっ当に来てくれて嬉しいっっ!」

隊士「ありがとう!仲良くしような!」

隊士「何かされたら言えよ?」


など、歓迎一色になった。


はる「小川 梅之助です。至らない事もあるかと・・・。」


隊士「そんな事、良いって!頑張れよっ!!」



何か、あるの?



少し、疑問に思いつつ、見廻りに付いていく。




すると・・・。




はる「あれ?沖田助勤がいない・・・。」



隊士「向こうの甘味処にいると思うから見てきて。ちゃんと、連れてきてね?」


はる「はい!」



甘味処まで、走っていくと、


いた。



はる「沖田助勤・・・。はぁ。はぁ。何をしてるんですか?」



沖田「あぁ。この、お団子が、期間限定の上、今日までしか店を出していないんだって。」



はる「で?」


沖田「見れば解るよね?並んでるの。」



はる「見廻り中ですっっ!」



引っ張るけど動かない。押しても動かない。



仕方ない・・・。これは絶対してはいけないけどごめんなさい。


私は、団子の売り子のお姉さんの所まで行き後ろに回り込みお姉さんを物陰まで引っ張る。



私は、東行先生達から教わった『男の色気』を醸し出す。



はる「お姉さん、俺ね、どうしても、この団子食べてみたいんだ・・・。でも、並んでる時間が無いんだよね・・・。」


売り子のお姉さんの頬を優しく包み込んで、髪の毛を耳に掛けながら、囁く。


売り子「お、お兄さんの為やったらどうぞ!いくらでも持って行って!」



抱きしめて、耳元で「ありがとう。」と囁き、チュッっと耳に口付けをした。



売り子のお姉さんは、真っ赤な顔になり、団子を大量にくれた。お金を渡そうとすると、口付けを要求され頬にチュッとした。


はぁ・・・。先生達にお酒の肴にお遊びで、叩き込まれたのが、まさか、こんな所で役に立つとは・・・。




しかも、私の接吻は団子代並みかよっ!






そして、後ろの方で、並んでいる沖田助勤に見せびらかす。


沖田「あっ!そ、それは、ここの団子っ!」



はる「行きましょう?食べてしまいますよ?」



沖田助勤は、列を離れ付いてきてくれた。




しかし、これが3件ほど続く・・・。


だから、皆、私を歓迎したわけね。



はる「沖田助勤!」


またもや消えた、沖田助勤の袖を引っ張った時、ザワザワと向こうの方が騒がしい。




沖田・はる「ん?」



はる「乱闘?」



沖田「みたいだね。行こっか。」



そう言って、乱闘の中に入っていく。



すると、男がおなごを、茶屋に引き込もうとしていた。



その横には、斬られた男が横たわっている。


私は、男の手を掴む。


はる「嫌がってるよ?」


男「けっ。壬生狼かよっ。」


男の腕をひねり上げる。



男「くそっ。」


男はおなごの手を離したが、私は、離さない。



はる「あれ、やったのあんた?」




すると、ニヤリと笑った男が、短刀をこちらに向けてきた。



避けると、仲間がいたらしく囲まれた。



そして、皆が、抜刀する。



私も、抜刀するが人を斬った事なんて無い。



すると、一人の男が、斬りかかってきた。



カキィン。ギリギリ。


私は、足で男を蹴る。


そして峰打ちを喰らわす。


すると、隣で、目にも止まらぬ速さで男達をあっという間に斬っている沖田助勤がいた。


いつものおちゃらけてる感じは一切無く、恐ろしいまでの殺気を醸し出している。




この人が、組で一番強い剣士・・・・。




納得出来る。






不逞浪士を連れて、屯所へ戻った。




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