はるのリベンジ
そして、私は、町に食材を買いに行く。


すると、露店で粉物を扱う店がある。



あ・・・。先に粉を買おう。また、団子作ってもらうのに粉はいるよね。



露店を覗くと、おばさんが話しかけてきた。



露店主「旦那!何かお探しで?」


沖田「うん。団子の粉を見せて下さい。」



露店主「団子作るならこれ!この辺りじゃ一番安いよ!そこの店と比べて見てよ!」



小声で話すおばさんに相槌を打ち、私が行こうと思っていた、店を覗く。


うわぁ!本当だ!



僕は、嬉しくなって、露店のおばさんの所へ戻る。


沖田「本当に、こっちの方が安いね。驚いたよ。」


露店主「でしょう?今日が、最後なんで、とびきり安くしたんですよ?」


沖田「そっか。私は、運が良いね。では、貰おうかな。」


露店主「どの位しときましょ?」


沖田「うーん。聞いてくるの忘れたなぁ。では、取りあえず、これで、買えるだけくれる?」




僕は粉を買い、屯所へ戻る。


お勝手の隅に粉を置く。


梅之助「あ・・・。お帰りなさい。ご苦労様でした。お疲れですよね?お茶でもどうぞ。」



お茶を出してくれる梅ちゃんに、


何か、夫婦みたい。・・・。いやいや、梅ちゃんは、男だって!・・・。と変な想像をして打ち消す。



すると、梅ちゃんが、固まっている。


梅之助「あの・・・。沖田助勤・・・。団子の粉しか、入ってないのですが・・・。」



沖田「それしか、買ってないよ?どの位いるか解らなかったから、取りあえず、財布の中で買えるだけにしておいたんだ。」


梅之助「え!?」


梅ちゃんは、すぐに、財布の中を覗くと、青い顔になり、団子の粉を抱きしめて、




梅之助「返して来ます!」


と走って行っちゃった。



しばらく、すると、肩を落とした梅ちゃんが帰ってきた。



梅之助「もう、お店無かったです・・・。」


沖田「まぁ、今日で終わりって言ってたし、早めに切り上げたんだろうねぇ。」


梅之助「土方副長に、報告を・・・。」



沖田「もう、夕餉だよ?」


お腹空いたなぁ。


すると、梅ちゃんは、ハッとして、


梅之助「あ!そうだった!沖田助勤!手伝って下さい。」


と忙しそうに、動いた。






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