はるのリベンジ
夜・・・。
仮隊士恒例の度胸試し。
幹部が集まり、誰を襲うか、決める。
沖田「梅ちゃん、やらせて下さい。」
そして・・・。
ソッと部屋に忍び込む。
寝顔を見ると、またドキドキしてきた。
ふふふ。梅ちゃん・・・。覚悟しなよ?
「度胸試しだぁ!!」
他の幹部の声で、一斉に始まる。
仮隊士の子達が、逃げる者、反撃してくる者、様々。
梅ちゃんは、飛び起き、横に立てかけてあった、刀に手を伸ばす。
ビュン。
させないよ?さぁ、どうする?梅ちゃん・・・。
すると、私の木刀を奪いに来た。
へぇ、なかなか、やるね。
何度か、攻防を繰り広げて、手首を叩かれ、木刀を奪われた。
まさか、木刀を握るとは思わなかった。
本物なら、手は諦めたんだな。
思わず、抱きしめてしまう。
これからも梅ちゃんと一緒にいれるんだ。
すると、寝起きで温かくなった体温と柔らかい感触がまた、私を変な気持ちにさせる。
何か、梅ちゃん、おなごみたいに柔らかい。
なかなか、手放せなくて、ギュウギュウしてると、後ろから、頭を叩かれる。
沖田「痛っ!」
土方「いつまで、やってる?行くぞ?」
この人はいっつも、邪魔してくる。ったく。
そして、度胸試しの結果を幹部で話し合う。
今回も、数名、脱落者があった。まぁ、仕方ない。ここは、そういう場所だ。
合格者の配属先が決まっていく。
土方「では、次、梅だな。」
近藤「あの子、総司から、木刀奪ってたな。なかなかやるじゃないか。」
沖田「はい。反応も早く、周りも見てたみたいです。」
土方「ただ、コイツは、間者としての疑いがある。」
永倉「でもよぉ。総司の事でも頑張ってたじゃねぇか。土方の剣も避けてたんだろ?」
土方「あぁ。俺も反応は良いと思う。」
沖田「では、こういうのはどうでしょう?私の小姓をしてもらうっていうのは?」
原田「なるほどな。」
土方「良いじゃねぇか。」
全員、ニヤリとする。
私が監視役。
土方「じゃあ。所属する隊だが・・・。」
すると、斉藤君が手を上げる。
斉藤「梅が欲しいです。」
土方「お前、何でだ?」
斉藤「今朝、手合わせしました。なかなかの腕の持ち主でした。彼なら、少し、鍛えれば、伍長を任せれるかと・・・。」
藤堂「へぇ、そんなに強いのか?」
コクリと斉藤君が頷く。
沖田「私も、彼が欲しいです。」
手を上げた私。
うーんと土方さんは、唸って、本人に任せようということになる。