はるのリベンジ
復讐の半分
しばらくは、他の隊士の嫌がらせのようなものがあったが、一番隊の人達が護ってくれた。
それでも嫌がらせをしてくる人には、沖田助勤の小姓を変わって差し上げた。
すると、青ざめて、尊敬されるようになった。
なんとか慣れていく。
沖田助勤が、大坂へ出張に行った時は、土方副長と本当に、穏やかな日を過ごしていた。
はる「土方副長。お茶をどうぞ。」
土方「あぁ。すまない。」
はる「いえ。」
土方「静かだな。」
はる「はい、とても、穏やかですね。」
土方「よし・・・。終わった・・・。邪魔が入らないから、はかどって、もう終わった!何も無いなら出るか?まぁ、夜は、島原行きだがな。」
そう言って、土方副長は、お茶を啜る。
はる「では、手合わせお願いしても良いですか?」
その誘いに、土方副長は乗ってくれた。
道場で・・・。
私は、土方副長と、向かい合う。
またあの感覚が沸き上がる。
この人が、父上を、拷問に掛けた人かもしれない。
その事が、頭に、浮かぶと、血が逆流するように全身がドクドクと鳴っている。
はる「実践方式でお願いしても良いですか?」
土方「あぁ・・・。」
はる「では・・・。」
そして、飛び込む。
バシッ。もちろん、受け止められる。
ギリギリ。
私はすかさず、蹴りを入れる。
しかし、蹴りを入れた時の片足を上げた時に、足を、蹴られて、倒れたところに、竹刀を振り下ろされる。
それをとっさに避ける。
ハッキリ言って喧嘩だ。
土方「ふっ。よく避けれたな。」
はる「フフッ。土方副長の攻撃は、受け慣れているもので。」
土方「んじゃ。今度は、俺から行く!」
ビュン。
はる「ウワッ。」
とっさにしゃがんだが、頭上スレスレの所を竹刀が通る。
ドカッ。
蹴りを入れられる。
はる「う゛・・・。」
蹴られた所が急所で、しばらく動けなくなる。
はる「本当に・・・喧嘩、得意ですね・・・。さすが・・・バラガキ・・・痛っ。」
バシッと、頭を叩かれる。
土方「また、総司の入れ知恵か?」
はる「ははっ。そうです。地元でも有名な程だったって。うちの助勤様が仰っていましたよ?」
土方「仕方ねぇなぁ。アイツは・・・。帰ってきたら仕置きだな。」
そして、また、何度か手合わせをしてもらう。
他の隊士の人達はこの喧嘩のような手合わせを固唾を飲んで見ていた。
小さなイザコザはあるものの、私には穏やかな時間だった。