はるのリベンジ
9月26日。
私は、斎藤助勤と、部屋の側で息を潜ませている。
三人が、屯所内で髪を結っている。
越後さん、信じてくれなかったんだ・・・。
私は、覚悟を決める。
東行先生の心得にあった言葉を思い出す。
ー優先すべきは、復讐で、敵、味方など、他のことは一切、考えないこと。ー
私は、目を閉じる。深く息を吸い込んで、ゆっくり吐いた。
斎藤「行くぞ。」
飛び込んで行く。
斎藤助勤が、御倉さんを斬った。
はる「荒木田さん。粛清致します。」
荒木田「裏切り者めがぁぁぁ・・・。」
荒木田さんが、私めがけて襲ってきた。
私は刀を、荒木田さんの肩から入れ、振り下ろした。
荒木田さんを斬る感触が、手に伝わる。
木を斬る感触とは、全く別の感触。
血の匂い、血しぶきを上げ、倒れていく荒木田さん。
荒木田「ああぁぁぁぁ・・・。」
越後さんは、素早く逃げ出した。
あの様子だと、この二人には言ってなかったのかもしれない。
私は、返り血を浴びた。
人を斬った。
私は、人殺しになったんだ・・・。
呆然として立ち尽くす。
全身の力が抜ける。
ガクッと、崩れ落ちる。
すると、斎藤助勤が、
斎藤「良くやった。」
と言い、抱き留めてくれた。