はるのリベンジ
密偵
元治元(1864)年。はる19歳。
去年は、父上とおめでとうって言ったっけ・・・。
そして、心得を教えられた・・・。
今は、仇である新選組で正月を迎えてる。
あの時はこんな事になるなんて思わなかった・・・。
私は、縁側でチラチラ降る雪をお酒を飲みながら眺める。
すると、沖田助勤が、
私の真後ろに、座り、私を後ろから抱きしめるように座る。
はる「あの・・・。隣に座って頂けませんか?」
沖田「こっちの方が暖かいよ?人肌って気持ち良いでしょ?」
はる「まぁ・・・。でも、男同士というのは、いかがなものかと・・・。勘違いされますよ?」
沖田「別に良い。あのさ・・・。ちょっと聞きたい事があるんだ。」
はる「何ですか?」
沖田「あのね?この辺で、首に傷のある医者の娘さんって知らない?ちょうど、梅ちゃんと同じくらいの身丈で、梅ちゃんと同じ所に傷があるおなご。梅ちゃんをおなごにした感じかなぁ・・・。」
はる「その人がどうかしたんですか?」
沖田「ちょっと、探してる。ほら。密偵して潜入してる、梅ちゃんならわかるかなって・・・。」
はる「そうですか・・・。うーん・・・。」
それって、おなごの私?はるのこと?
何で、探してるんだろう?そう言えば、小川の父上が、最近、沖田助勤が、私を探し回って聞き歩いているって言ってた・・・。
はる「そう言えば、最近、見廻りの時、甘味処じゃなくて、何かキョロキョロされてるのって・・・。」
沖田「うん。」
もしかして、あの時、見られたから『消す』とか?
極秘で、している任務か?
とりあえず、警戒しておかなくては・・・。