はるのリベンジ
私は、新選組に戻り、土方副長に、一連を報告する。
東行先生が、自分の事を、報告しろと仰ったからだ。
土方「何とも過激な野郎だなぁ・・・。」
はる「はい。まぁ、いずれにしても、いつか、長州は内乱が、起こるかもしれませんね。」
土方「まぁな。報告ご苦労。戻ってきて、すぐで申し訳ねぇが、また、潜入してもらいてぇ所がある。」
はる「はい。」
土方「もうすぐ、大坂で潜入した山崎が、戻って来るから、山崎の指示に、従ってくれ。」
はる「かしこまりました。」
私は、部屋を出る。
私が、粛清をして、何とか、立ち直れたくらいから、土方副長の私の疑いの目も幾らかは、緩んだ気がする。
はる「さて・・・。沖田助勤に、戻ったことを報告しないといけないんだけど、また、境内で、子供と遊んでるのかな?」
私は、近くの寺の境内へ行く。
そこには、子供と、相撲を取っている沖田助勤がいた。
近付くと、一人の子供が、声を上げた。
子供「あ!梅だ!」
走り寄ってきた子供の頭をなでる。
はる「久しぶりだね!元気だった?」
子供「うん。ねぇ、また、あれやってよ?」
子供「見たい!」
“あれ”とは、月隈先生に教わった、忍びの術で、もう、忍びは、存在しないが、芝居や見せ物で、術を披露されるのが、流行っていた。
私は、タネを仕込んで、子供達に、披露する。
いきなり、花が出てきたり、ボンッと、煙で消えて、別の場所へ移動したりと技を見せる。
沖田「梅ちゃんの術は、何度見ても、素晴らしいね!」
はる「ありがとうございます!」
そうこうしているうちに、夕暮れ時。
子供達が帰ると、沖田助勤は、甘味処へと私を誘う。
はる「良いんですか?俺達もそろそろ帰らないと・・・。」
しかし、甘味処は素通りで、以前、私が、おはるとして、沖田助勤に、ぶつかった所へ連れてこられた。
沖田「ここで、出会ったんだよね・・・。」
そう呟く、沖田助勤は、遠い目をしている。
そうだった。こっちのこの件、すっかり忘れてた。
はる「あ、あの・・・。どうして、その人を探しているんですか?」
沖田「もう一度、会いたくてね。」
任務か?・・・。わからない。この人は、任務になると人が変わる。
はる「そうですか・・・。会えたら良いですね。」
沖田「うん・・・。帰ろっか?」
それは、毎日の日課のようになっているようだった。