はるのリベンジ



山崎さんが戻ってきての指示の元、私は、また、おなごの格好で、池田屋にいた。



京の町に、火を放つという計画の会合が今日、行われるらしい。



他の隊員は京の町を一つ一つ調べるとのことで、山崎さんが、怪しいと睨んだ、四国屋と池田屋を私達が潜入して、調べるというものだった。



私がさっき、取り乱した為、山崎さんが、睨んだ本命の四国屋は、山崎さんが、入ってくれることになったのだが・・・。



嫌な予感がする。



今日は、祭りなのに・・・。浪士が多い・・・。



ここが本命なんじゃ・・・。



そして・・・。山崎さんが、来て、ここが本命ということを確信して出て行く。



はる「っ!!・・・。吉田様!!」


やっぱり、ここが、本命だ!


すると、奥の部屋に入って行く。


私は、お酒を持って行き、吉田様に、抱きつくように、倒れ込む。



はる「すみません。お侍様。」


そっと、耳元で、


はる「吉田様。逃げて下さい。もうすぐ新選組が来ますっ!」


吉田「君は・・・っ。知らせてくれてあり・・・。」



「主人はおるかっ!!御用改めである!!手向かう者は、斬り捨てる!」


この声は、近藤局長!


はる「来た!早く!」


あちこちで色々な人の声がする。



この声は・・・。


沖田助勤、永倉助勤、藤堂助勤!腕のある人ばかりじゃない!?




すると、吉田様は抜刀して、出て行く。



私は、立ち上がり、女中さんを、一部屋にまとめる。



すると、物凄い刀のぶつかり合う音と共に、人の叫び声がする。



はる「危ないので絶対に出ないで下さいっ!!」


そう言うと、部屋を出た。



すると、あちこちで乱闘になっている。私は、帯に隠していた、隊服を出して着る。



すると、土方副長と出くわす。


はる「土方副長!おなごと、一般の人達は、奥室に避難させています!」


その時、


藤堂「うわっ!・・・くそっ!」



はる「藤堂助勤?」



土方「行ってくれ。」



はる「はい!」



そして、藤堂助勤を診ていると、山崎さんが来た。



山崎「こっちは俺しとく。沖田助勤が運ばれてくるからそこ、開けてといてっ!!」


はる「沖田助勤が!?」


山崎「上の部屋で倒れたらしい。」



すると、沖田助勤が、運ばれてきた。




ぐったりしている。



顔に触ると熱い。


山崎さんも、来てくれて、一緒に診る。



山崎「暑気あたり(熱中症)。」

はる「暑気あたり。」


二人、同じ見立てになり、沖田助勤を私が任される。



近くで、桶と水と湯呑みを貰う。



沖田助勤の着物をはだけさせる。


身にまとっている物を取っていく。



手拭いを水に浸して、首元や、口に水を付ける。



沖田「う゛う゛・・・。」


はる「沖田助勤っ!!」



うっすら、目を開ける。


沖田「あなたは・・・。」



沖田助勤を抱き留めて、湯呑みの水を飲ませようとするが、沖田助勤の口からこぼれる。



はる「仕方ない。沖田助勤っ!!許して下さいっ!!」


私は、湯呑みに口を付け水を含む。



そして、沖田助勤に、口移しをした。



その時、ピクッと沖田助勤が動く。



何度か、水を飲ませることが出来ると、沖田助勤は、「ありがとう。」と言って、目を閉じてしまった。




その後、怪我をした、永倉助勤の手当てをする。


そして、私は、怪我人を診る事になり、屯所へ戻った。




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