はるのリベンジ
湯呑みを手に、沖田助勤の部屋へ戻ると、沖田助勤が、ボーッと目を開けていた。
はる「沖田助勤。目が覚めましたか?良かった。」
沖田「あ・・・。梅ちゃん・・・。あ!あの方は?」
はる「あの方?」
沖田「私を助けて下さった人だよ。」
はる「助けたのは、土方副長ですが・・・。」
沖田「ち、違うよっ!せっ・・・。で、私・・・。」
沖田助勤が真っ赤になって小声でボソボソ言っているが聞こえない。
はる「何ですか?」
すると、沖田助勤は、私の腕をバシッと叩いて、
沖田「私を接吻して、助けて下さったあの娘さんだよぉ。」
と赤い顔で言われた。
はる「は?」
接吻って口移しで水を飲ませた事?
沖田「やっぱり、あの娘さんが、私を助けてくれたんだ・・・。いつも、私を助けてくれる・・・。ねぇ、梅ちゃん!あの娘さん、見た?」
はる「え・・・。あぁ・・・。さぁ・・・。そのおなごが何か?」
沖田「会いたくて・・・。」
はる「粛清ですか?」
沖田「粛清!?そんな事するわけないでしょ!!」
はる「では、どうして、会いたいんですか?」
沖田「それは・・・。その・・・。気になるっていうか・・・。なんて言うか・・・。」
はる「何ですか?」
沖田「その人の事を想うと、胸が苦しいんだ・・・。」
はる「え・・・?」
それって・・・。
沖田「この前、甘味処で男と一緒にいるの見てね・・・。苦しくなっちゃって・・・。ご飯も喉が通らなくなっちゃった。それで、会いに行こうと思って店まで行って、その娘さんの事、探してたら、土方さんに怒られちゃった。会わなくなったら余計に苦しくて無理に会いに行ったんだ。そしたら、無視されちゃった・・・。ねぇ、梅ちゃん・・・。嫌われてたとしても、あの娘さんに会いたい。せめてお礼が言いたい。ねぇ、梅ちゃん、その人を探して!?」
沖田助勤・・・。それって、恋してますよ・・・。はるに恋しちゃったの?
はる「沖田助勤。ちゃんと食べないから体力が落ちちゃうんです!俺も、忙しかったので、ちゃんと、話を聞いてあげれなくてすみません。でも、土方副長に話したら良かったのに・・・。」
沖田「無理だよ。からかわれるのがオチだよ。」
はる「そんな事ないと思いますけど。とりあえず、寝ましょうか?水飲んで下さい。」
私は、興奮する、沖田助勤を宥めて、寝かせた。
そして、部屋を出た。