はるのリベンジ
そして、私は、片桐の所へ行く。
片桐「梅之助はん。ようこそ。」
はる「片桐ぃ~。今日は疲れたよ・・・。癒やして?」
片桐「では、梅之助はんが元気になるご報告。東行先生が来られています。」
はる「え?本当に?でも、先生は、今、獄に入ってる筈・・・。」
片桐「まぁ、見てみなはれ。」
私は、部屋の前で、深呼吸をする。
そして、襖を開けると、愛しいその人の首に、芸妓が腕を絡ませ、熱烈な接吻していた。
東行「う゛・・・。梅・・・。」
私は、ニッコリ笑って、
はる「失礼しました。」
と出て行くと片桐がいた。
私は、片桐に、抱きついて、
はる「片桐ぃ~。今宵は、片桐に、癒してもらう!」
と泣きつくと、後ろから、ぺりっと東行先生に、剥がされた。
東行「お前が来るとは思わなかった。」
はる「私も、さっき、他の殿方と、接吻してしまったので、おあいこです。良いです。嫌な気持ちもありますが・・・。」
すると、東行先生の視線が鋭くなる。
東行「誰とだ?」
はる「沖田 総司です。」
そして、私は、部屋に招かれ、これまでの事を報告した。
はる「東行先生。土方が、拷問をしたのでしょうか?古高様と同じだったし。」
東行「まだ、土方とは、言い切れない。まぁ、他の奴に、拷問をかけさせるか・・・。もしくは、拷問は土方だけが、するのかってところを調べねぇとだな。」
はる「はい。」
私は、湯浴みを終えて部屋に戻る。
東行先生も、湯浴みをして、お酒を飲んでいる。
やっぱり、色っぽい。
私は、東行先生の横に座り、お酌をする。
東行「梅・・・。沖田に抱かれろ。」
はる「はい!?」
東行「惚れられてるなら、簡単だ。そいつを使って、情報を聞き出せ。近藤の忠犬なんだろ?」
はる「沖田助勤は・・・。何というか、騙すには心苦しいです。」
バンっ!!!
東行先生が、畳を殴り、胸ぐらを掴まれる。
はる「っ。」
東行「生温いこと言ってんな。お前、何しに、身体に、こんな傷付けて、人まで殺めたんだ?桝屋の情報を売って・・・。こちらの同志がどれだけ死んだと思ってるっっ!!!」
はる「同志が・・・って、まさか、吉田様・・・。」
東行「あぁ・・・。死んだ。」
はる「っ。」
東行「お前が、情報を売って、仲間を殺した。」
はる「っ。」
私が、皆を殺した・・・。
東行「そんな、お前が、今更、『騙すのが嫌?』ふざけるな!!!」
確かにそうだ・・・。私の個人の恨みで、今回のことが起こった・・・。
涙が溢れてくる。
ギュッと、お腹に力を入れて、歯を食いしばって、涙を流さないように上を向く。
すると、東行先生が両手で、頬を包んで、コツンと、私の額に額をぶつける。
東行「まぁ、色々重なって起こった事だ。だから、お前のせいではない。ただ・・・。お前は、お前のするべき事だけを見ろ。本来であれば、お前は、裏切り者だ。」
はる「はい・・・。」
ギュッと東行先生に抱きしめられ、耳元で、
東行「俺は、今は、動かない方が良いと思うが、多分、そうはいかないと思う・・・。」
私は、耳元で、囁かれている情報に、耳を疑う。
はる「っ!!そんなの無茶です!だって、長州は・・・。」
東行「あぁ。でも、多分、実行に移される。さぁ、この情報、梅・・・。どう使う?」
はる「そんな・・・。止めることは出来ないのですか?」
東行「多分、無理だな。まぁ、考えろ。」
はる「はい。ありがとうございます。」
東行先生は、優しい・・・。
東行「ふっ。俺も、大概だな・・・。来い。はる。」
そう言うと、東行先生は、私を抱き寄せ、唇を重ねる。
押し倒されて、目の前で囁かれる。
東行「沖田に抱かれろと言っておきながら、嫌な気分になる。厄介だな・・・。俺も、まだまだか・・・。」
はる「私も、春風様に、ヤキモチを妬いてしまいます。この時だけは、私だけの春風様でいてくれますか?」
東行「この心は、はるにやる。だから、お前の心は、俺が貰う。」
はる「はい・・・。」
どちらともなく顔を近づけて口付けを交わす。
そして、私達は、互いに確かめ合うように求め合った。